Diesel

ボードゲームを中心とした記事を書きます。

ネットランナー会レポート 22.03.25 『ICEをデッキから特殊召喚!』

 食らえ! 強度20の《Bulwark》だ!!

――としてたのが先週のRAMフォーマットでの対戦。Jinteki.netのリプレイ機能が復旧したので、前回の記事で貼れなかったせっかくの名場面(?)を画像として残しておくことにする。

 2週間ローテーションでカードプールを入れ替えるRAMフォーマットには一旦別れを告げる。Midnight Sun Booster Packで追加されたカードを試すなら、やはりStandardフォーマットで遊ぶのが一番だろう。

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 実に10週間ぶりのStandard。RAMフォーマットの不規則な環境でデッキ構築に勤しんでた期間が長いのでかなり感覚が狂ってしまった感も否めないが、それは時間が解決してくれるだろう。そしてさらば現状/Current!

 

 

 コーポデッキを作成するにあたって新しく対策を考えなければならない新カードといえば、そう、《Light the Fire!》!

サーバー内のカード効果を全て無効化して吹き飛ばす

 ランの間、サーバー内(サーバーのルート)にインストールされたカードの効果を無効化するので、サーバーの防御を強化/Upgradeに頼っていると、このカードでいとも簡単に突破されてしまう。

 

 

Skunkvoidと呼ばれる組み合わせ。凶悪。

 さて、サーバーの防御を強化に頼っているデッキといえば《Manegarm Skunkworks》と《Anoetic Void》を使った《Haas-Bioroid: Precision Design》のデッキ。遠隔サーバーをこの2枚の強化で守りつつ、アドバンスなしに4/2計画書をインストール。次のターンに《Seamless Launch》での得点を狙う。以前のまま運用すれば明らかなメタカードである《Light the Fire!》に存在を脅かされることはまず間違いない。

 

 コーポはどのようにこの脅威に立ち向かうべきか?

 答えはいくつかあるだろう。私はこのデッキのコンセプトを極力崩さないまま《Light the Fire!》に対抗するべく、あるカードに着目した。

 

 

遠隔執行

 《Remote Enforcement》。得点するとR&DからレゾされたICEが飛び出てくる。

 《Haas-Bioroid: Precision Design》のデッキで運用される4/2計画書は《Offworld Office》と《Cyberdex Sandbox》で得点時にクレジット収入があり、それぞれ7クリック相当の仕事をする。対して《Remote Enforcement》はR&Dから引いた(サーチした)カードをインストールしてレゾするので、2クリック+レゾコスト分。

 例えば、レゾコスト10の《Týr》をレゾできれば12クリック相当のアドバンテージと考えられるのではないか。――そんな風に思えば《Offworld Office》より強そうに見えてきた気がする。

 

 

実戦

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コーポ3ターン目

 ランナーの1ターン目にHQへの侵入を許し、既に1枚計画書を盗まれた状態で迎えたコーポの3ターン目。《Rashida Jaheem》による3ドローと強制ドローで4枚カードを引く前から計画書を3枚HQに持ち、このドローで更に追加で1枚引いてきた。このコーポのデッキには9枚の計画書が入っているが、その半分以上がR&Dから出てきている。MtGでいうならマナフラッド。いわゆる“事故ってる”という状態。

 ドローに運が絡む以上、発生するときは起きてしまう。こうなったときは手札の状態を恨む前に、何事もなかったかのように冷静にプレイを続けることが肝心だ。

 直接相手の顔が見えなくてもポーカーフェイスを心掛けよう。大丈夫、HQに計画書が大量にあることがバレなければよいのだ。あとは《Legwork》されないことを祈れ!

 

 幸いなことに《Lateral Growth》も引いているので、HQのこの大量のカードは容易に手札上限以下まで消費することができる。インストールしながらクレジットも稼げるのでテンポよく防御を固めることが可能だ。

 ちょうど《Remote Enforcement》とそれを守れるICE、さらに《Seamless Launch》も握っているし、攻めるならこのタイミングだろう。

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Criminal相手なのでICE2枚でInside Jobを警戒

 

 3クリック目はドローを選択。ICEをR&Dにインストールすることもできたが、既にHQに3枚も計画書を抱えている状態で、これ以上手札のカードを減らすわけにはいかなかったのだ。

 ところが、この作戦は完全に裏目に出ることになる。

 《Falsified Credentials》による開示で遠隔サーバーにインストールしたのが計画書であることがバレたのち、その攻略を諦めたランナーはICEのないR&Dへラン。

 コーポ視点では28枚の山札に4枚の計画書が含まれているので、そこから計画書が盗まれる確率は1/7≒14%。まだまだ平気だと高をくくっていたら、あれよあれよと計画書が盗まれていき……

 

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ICEのないサーバーは鍵のない家のようなもの。戸締りはしておこう。

 

 気がついたらスコア0-6! あと1枚計画書盗まれたら終わり! もう負けたかと思った!! 28枚中の4枚のうち2枚が山札トップってどんな確率だよ!

 9枚中7枚の計画書がランナーの3ターン目に出てくるなんて大事故もいいところ。

 だが勝負は諦めない。手札の中身はまだランナーにはバレてない。それにここからが良いところだ。

 

 《Seamless Launch》を使って2アドバンスカウンターを置き、さらに2回アドバンスして4/2計画書《Remote Enforcement》を得点。その効果によりR&Dから《Fairchild》を召喚!

 

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 見よこの強度を。見よこのサブルーチンを。

 ランナーを通さないという意志がひしひしと伝わってくるこの性能。ランナーが多大な犠牲を払えば通れなくもないあたりはバイオロイド/Bioroidとしての特徴を残すものの、それでもランの継続を阻むプレッシャーは絶大なもの。

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 それをスコア用に築いた遠隔サーバーにどかっと上乗せする。これで《Light the Fire!》以前にサーバーにアプローチすること自体かなり難しくなったはずだ。

 

 しかしランナーも負けじと対抗策を繰り出してくる。R&Dのトップを覗いて計画書がないことを確認すると、レゾされたばかりの《Fairchild》に《Tranquilizer》をインストール。このウィルスに感染したICEは2ターン後にデレゾされてしまう。

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これはまずい

 このままでは守りの要を失ってしまう。《Fairchild》をデレゾされてしまえば、クレジットの余裕がそれほどないこのデッキでは二度とレゾできないだろう。

 しかし秘策がないわけではなかった。

 

 すぐさま2枚目の《Remote Enforcement》をインストール。次のターンに得点。

 R&Dから呼び出すのは《Magnet》だ!

 

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ICEに取り付いたプログラムを吸着、無効化する

 《Magnet》を新規リモートサーバーを守る位置にインストール。レゾ時効果でICEに搭載されたプログラムを1つ選択する。標的はもちろん《Fairchild》に取り付いた《Tranquilizer》……!

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磁石パワーで悪いプログラムを吸引。ジジジ……

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ピタ! 吸着完了。Fairchildは守られた。

 《Remote Enforcement》でレゾコストの低い《Magnet》を召喚する使い方は想定していなかったが、結果オーライ。思い付いた者勝ちである。

 このターンが終われば《Fairchild》はデレゾされてしまっていたので、思わずHQで溢れかえっていた計画書に救われた形となったのだった。

 

 その後、この《Fairchild》による防御を頼りにHQにある残りの計画書を順番に得点していきゲームセット。GG!

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スコア8-6で決着。大逆転。

 

 R&Dを開けっ放しにしたことによって連続で計画書を盗まれてしまったし、HQの計画書をテンポよく得点するために防御にもクリックを割く余裕が全くなかった。ずっと危ない橋を渡り続けることになったのでなかなか心臓に悪いゲームだったと言える。

 ちなみにずっとR&Dにランすることにクリックを捧げたランナーのリグは終始こんな感じであった。アンドロイド:ネットランナーがアクションのゲームだというのがよくわかる。

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Carmenが1枚だけ

 

 今回使ったこのコーポデッキは《Seamless Launch》と新カード《Vladisibirsk City Grid》の組み合わせを試すことも計画していたが、このゲームでは最後の最後にようやくドローできたためその機会は訪れなかった。また別の機会に試すとしよう。

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9枚中8枚目の計画書も引いた。計画書引きすぎ。

 

 ではまた来週。

 

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