Diesel

ボードゲームを中心とした記事を書きます。

ネットランナー会レポート 22.05.27 『スタートアップで遊ぼう』

 スタートアップ。

 それはNiseiが制定するアンドロイド:ネットランナーの対戦フォーマットの一つ。

 Niseiがリリースしたセットのみを使用するフォーマットであり、今となっては手に入りにくいFFGの古いカードを使用しないので、今からアンドロイド:ネットランナーを始めたり復帰したりする人にとって参入しやすいお勧めのフォーマットと言える。

 

 普段はFFGのカードもNiseiのカードも混ぜて遊ぶスタンダードをプレイしているが、今回はスタートアップのデッキも用意した。なぜなら、かつて日本で盛んにアンドロイド:ネットランナーが遊ばれていた地ゲームスペース柏木で再びネットランナーが開かれることになったからだ!

 

 なんとめでたいことだろう。ネットランナー人口増加を夢に見て細々と布教活動に勤しんできたこととの因果関係はないかもしれないけれど、遊ぶために集まる会が再び彼の地で開催されるなんて、とても言葉で言い表せないが私にとって非常に嬉しいことだ。

 これはもう乗り込むっきゃない。開催地東京だけどもネットランナーするためだけに遠征だーー!!ということで私も参戦。

 当日はよろしくお願いします。優しくしてください。

 普段この毎週のネットランナー会で一緒にJintei.netプレイしてくださってる方々にも会えるので非常に楽しみ。

 

twipla.jp

↑↑会の詳細はこちらから。

――ってもうほぼ満席じゃないか! 沢山の参加者嬉しい限り。

 月一で定期的に開催するそうなのでまだまだチャンスはあるぞ!

 

 

 

 スタートアップフォーマットは最新の基本セットであるSystem Gateway、System Update 2021に加えAshesサイクルのDownfallとUprisingの4つのセットで構成される。本当ならここにMidnight Sun Booster Packも含まれるが、上記の会では使用しないのでしばらくは無視する。

 スタンダードに比べてカードプールが狭まる分できることは制限されるが、同じセットのカードには大抵デザイナーズコンボと呼ばれる意図されたシナジー*1のあるカードが含まれているので、それらを上手く利用するのが基本的な方針になるだろう。

 

 

 というわけでまず用意したのは《Hoshiko Shiro: Untold Protagonist》のデッキ。

 アンドロイド:ネットランナー史上最初で現状唯一の両面IDのランナーで、暗い女の子とデジタル魔法少女という文字通り二面性を持ったカードだ。

 何かしらのカードにアクセスすることでクレジットを得つつ裏面になり、裏面でいる間はクレジットが減る代わりに自動ドローがついてくるというアドバンテージの塊のようなID能力。この能力はランを成功させてこそなので、効率よく使うのであれば序盤のICEが薄く、でもアイスブレイカーは揃っていない……みたいな状況でもICEを突破してサーバーに到達できるようにしておくのが理想である。――《Boomerang》とか《Botulus》とか。

 

 《Hoshiko Shiro: Untold Protagonist》を語るうえで外せないのが《DreamNet》の存在。各ターン最初にランに成功するたび1ドローを提供するという、ランにドローを付与する効果を持ったリソースであるが、特定の条件を満たしていれば更に1クレジットもついてくる。

 この条件というのがリンク強度が2以上だったりIDがデジタル/Digitalを持っているかというものである。スタンダードであれば《Sunny Lebeau: Security Specialist》と《Apex: Invasive Predator》といった選択肢があれど、スタートアップという環境において使いこなせるのは《Hoshiko Shiro: Untold Protagonist》が唯一。しかもそれぞれの能力の発動・維持の条件がほぼ同義であるためするべきこともわかりやすい。1ターンに一度とにかくランしまくるのだ。

序盤にインストールできたらしめたもの

 

 狙い目はHQ、R&Dといった中央サーバー。計画書の奪取に運が絡み試行回数が鍵となるのでこの戦略にもぴったり。例え計画書にアクセスできなくともコーポの手の内を知れるので、今後の戦略も立てやすくなる。がんがん攻めまくってコーポの余裕を削り取っていこう。

計画書をゲット

  繰り返しランすれば自ずと結果はついてくる……はず。

 

 このゲームでは37枚のカードをスタックから引いたが、そのうちドローに費やしたクリックはたったの3。ドローやクレジットを得るのに使うクリックが減ればそれだけカードをプレイしたりランしたりと他のことに割くことができるので、ランナーのデッキを組む際はそのどちらか(もしくはどちらも)減らせるように意識してみるとよいだろう。

 

 

 

 スタートアップとは別に遊んだスタンダードでは、Criminalの三鳥こと《Saker》、《Peregrine》、《Golden》をいかに使いこなすかに腐心したデッキを使おうとしていた。

 これらは全て自身のみでフルブレイクしたICEをデレゾするという共通の能力を持っている。問題はその能力を使うとグリップに戻ってきてしまうこと。

 

絵はかっこいいのだが……

 ただでさえICEのサブルーチンをブレイクするには小回りが利かず、インストールコストも安くないこれらのカードを普通に使うと相当な額のクレジットが必要になる。安定した運用のためにはインストールコストを下げたりクレジットを用意したりと相当準備が必要になるのだが、これだけ準備をしてやることはICE1枚のデレゾ……って全然見合わねーぞおい!!と思わずつっこみたくなるような問題児たちである。

 しかしそんな問題児ほどかわいい……もとい使いこなしてみたいという欲求に駆られた一部のプレイヤー達は虎視眈々とその機会を伺っているのである。ああでもないこうでもないとデッキをこねくりまわしながら……

 

 使用方針にはいくつかあるが、今回試したのはICEのレゾコストを上げてコーポの負担を上げる作戦。高いクレジットを払ったICEをデレゾされるのはコーポにとって相当苦しいはずだ。

 ICEのレゾコストを上げるカードは《Xanadu》、《Hernando Cortez》、それに《DJ Fenris》で呼び出せるIDの《Reina Roja: Freedom Fighter》。ええい、全部載せちゃえ!

 

 まだ全て揃っていないが、《Xanadu》と《Reina Roja: Freedom Fighter》によりICEのレゾコストは+2される。この状態で《Tread Lightly》でさらにレゾコストを上乗せしたりしたもんだからコーポはほぼICEをレゾできないまま戦局が進んでいくこととなった。

 

 あ、あれ……? コーポがICEをレゾできないから、デレゾもできないぞ……?

 コーポがICEをレゾするたびクレジットを得る《Los: Data Hijacker》の能力は空振り、鳥の出番もこないままゲームが終わってしまったのだった。か、加減が難しい。。

 

 ランナーたちのチャレンジはまだまだ続く……

 

 

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*1:相乗効果