Diesel

ボードゲームを中心とした記事を書きます。

ネットランナー会レポート 22.04.29 『鮫型バイオロイド』

 メガコーポの1つ、ハース-バイオロイド/Haas-Bioroid。その名の通りバイオロイドと呼ばれる機械式の人造人間を製造しており、その役割は単純な肉体労働だけでなく警備員工作員セクサロイドなど多岐にわたっている。

 クローンによる人造人間を製造するジンテキ/Jintekiとはパイを奪い合う関係であり、ときには政治的活動によって足を引っ張ることで労働力のシェア拡大を目論んだりすることもあったりなかったりとか。

――もっとも、人間の労働者たちにとってはどちらも仕事を奪う気に食わない存在だったりするわけで、ハンマーを持って“打ちこわし”なんかを起こしてしまったりする。

バイオロイドやクローンに仕事を奪われた人々は、
それを打倒するランナーの味方になってくれる

 

 

 アンドロイド:ネットランナーにおいてバイオロイドはHaas-Bioroid派閥のカードのサブタイプとして登場する。

 特にバイオロイドICEは特徴的で、レゾコストに対して性能が良い代わりに、クリックさえ支払えばアイスブレイカーなしでも突破できるICEとしてプレイヤーに強く印象付けられているのではないだろうか。

 そんな弱点を補うため、少しでもその能力を利用しにくくバージョンアップを果たした2.0や3.0が存在したり――

バージョン2である2.0は能力の起動に2クリックを要求する

――《Týr》のようなタダでは転ばないようなICEも登場してきているなか、新たに面白い対策を備えたものが登場した。

 

 

 

 《Hákarl 1.0》はMidnight Sun Booster Packで追加されたカードの1枚。レゾした時に他の自分のカードをデレゾすることでバイオロイドICE特有の弱点を無効化でき、クリックに余裕があるからと油断したランナーにブレンダメージを叩きつける。まさにその姿に相応しい凶暴さだ。

 このときデレゾするカードはなんでもよいというのがミソ。レゾコスト0のカードをインストールしておけばデメリットを回避できるし、レゾ時に恩恵のあるカードと組み合わせれば繰り返し恩恵を受けられる……というのが今回の趣旨である。

 

 

 

Rez Twice

 ゲームも終盤。ランナーのIDが《Rebirth》で《Omar Keung: Conspiracy Theorist》に転生して、最後の計画書を盗もうと厳重に守られたアーカイブへのランを開始した場面。

 ランナーが最外殻のICEにアプローチし、カードのレゾと消費型能力が起動できる機会が発生する。コーポはICEをレゾする前に遠隔サーバーにインストールされていた《Advanced Assembly Lines》をレゾ。それから《Hákarl 1.0》をレゾする。《Hákarl 1.0》の効果でデレゾするのはさきほどレゾした《Advanced Assembly Lines》だ。

 

 《Advanced Assembly Lines》はレゾ時に差し引き2クレジットを獲得できる資材。デレゾすればまたレゾできるのでちょっとしたお得感が得られる。

 加えて、トラッシュすれば計画書以外のカードをクリックなしにインストールできる。この能力はなかなか便利で、例えばこの状況のように《Vladisibirsk City Grid》にアドバンスカウンターが2個乗った状態で、手札に計画書が欲しいけどない……みたいな状況であったとしても――

Advanced Assembly Lines》をトラッシュしてHQの《Spin Doctor》をインストール――

2ドロー!

レゾして2ドロー!といった動きがクリックなしに実現できるのである。……残念ながら計画書は引き当てられなかったが。。

 ちなみに《Spin Doctor》もレゾ時に恩恵のあるカードなので《Hákarl 1.0》と相性がよい。

 

 

 

 

 

Tower of Death

死のタワー

 こちらは《Hákarl 1.0》を使った別のデッキ。

 《Anemone》を《Hákarl 1.0》でデレゾすることで何度でも使いまわせることを利用した即死トラップ。《Surat City Grid》を使うことで何かをレゾすれば連鎖的に全てのICEがレゾできるため、ランナーがフラットラインするまで一気にネットダメージの嵐を叩き込むことができる。

 

……はずだったが、このトラップはランナーがこのサーバーにランしてくれないと発動できない。こんな怪しいサーバーを頑張って建造しても、警戒心の強いランナーはそう簡単にはランしてきてくれない。

 《AgInfusion: New Miracles for a New World》の能力を使えば、無理やりトラップのあるサーバーに飛ばすことができる。しかし、それで即死トラップが起動できるかというと世の中そう甘くはできていない。

 《AgInfusion: New Miracles for a New World》の能力で飛ばしたサーバーの先にICEがあってもアプローチを飛ばしてエンカウントしてしまう(レゾされていなければそのままスルーしてしまう)。つまり、次にカードをレゾする機会を得られるまでにランナーはジャックアウトできてしまうのだ。

第2版コアセットのルールリファレンスより
この図の2.3の処理まで到達する必要がある

 

 

 カードの組み合わせによってさまざまなギミックが楽しめるのもアンドロイド:ネットランナーの魅力。

 次は実用性のあるものを見つけたいな……!

 

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