Diesel

ボードゲームを中心とした記事を書きます。

ネットランナー会レポート 22.04.01 『エイプリルフール?』

 アズ・マキャフリー/Az McCaffrey。彼はNiseiによって最も早くお披露目されたオリジナルキャラクターだ。《Az McCaffrey: Mechanical Prodigy》としてNisei一番最初の拡張Downfallで追加された。

 名前に見覚えはないだろうか? ――そう、マキャフリー/McCaffreyといえばアンドロイド:ネットランナー最初の基本セットに収録された《Kate "Mac" McCaffrey: Digital Tinker》と同じ姓。設定上、ケイトは彼の母親にあたるのである。

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特定のカードのインストールコストを下げる母親譲りの能力を持つ

 ID能力は毎ターン最初にインストールするハードウェアおよび仕事/Jobもしくはコネ/Connectionリソースのインストールコストを1下げるというもの。リソースはともかく、ハードウェアってそんなにたくさんインストールする機会があるものだっけ……?

 

 

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 それがあるんだなぁ。それがこの《Boomerang》だ。

 《Boomerang》はICEのサブルーチンをブレイクできるハードウェア。自身をトラッシュすることで強度に関係なくサブルーチン2つをブレイクできるため、アイスブレイカーが揃うまでの繋ぎとしてや、強度の高いICEを安く突破する手段として序盤から終盤まで活躍を見込める。

 しかもこのカード、使い終わってもヒープからスタックに戻すことができるため、再びドローすれば何度でも利用できる。まるでブーメラン。使うたびにインストールすることになるので、《Az McCaffrey: Mechanical Prodigy》とは相性ピッタリというわけだ。ただし、ランに成功していなければ《Boomerang》は戻ってこないので要注意。

 

 さてこの《Boomerang》、使い終わっても戻ってくるのはいいものの、スタックはシャッフルされてしまうため次いつ使えるようになるのかわからないという弱点がある。このカードにがっつりと頼ることを考えているならば、スタックのどこかに潜んでいて次いつ使えるようになるかわからないというのではあまりにも不安定だ。

 コーポの強力なICEを低コストで悠々と通過してやりたい……もとい、《Boomerang》を再回収して激しく使いまわしたい……。そんな願望を実現するため、とある策を講じることにしたのである。それは――

 

 

 

 

 

 ドロー!

 たくさんドローすればそれだけスタックの《Boomerang》を引く確率が上がるし、たくさんドローしてスタックのカードを減らせばスタックに戻った《Boomerang》もまた引きやすくなる――という実に単純な理屈だったりする。
 問題はその手段。《Diesel》を始めとした使いやすいドロー手段を多く持つShaperや豪快にドローしてヒープにカードを溜めるAnarchと違い、Criminalはドローの質にこだわる派閥であり、何でもいいから大量にドローするといったことは苦手だったりする。如何に素早くカードをドローできるようにするかが課題だ。

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例えばCriminal版Diesel
デッキトップを操作できる代わりにドローできる枚数自体は少ない。

 

 まず試してみたのは《Exclusive Party》。Mumbadサイクルに存在する、デッキに6枚まで入れることができるカード群の1つだ。

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Limit 6 per deck.

 最初は単に1枚ドローするだけのイベントカード。イベントはプレイすると捨てられるので、グリップのカードは1枚減って1枚増えるので差し引きゼロ!

 その代わり、ヒープにある《Exclusive Party》の枚数を参照してクレジットを得ることができる。1枚がヒープにあればスタックを1枚掘り進めつつ1クレジット、2枚あれば2クレジットと後半になるにつれて効果が大きくなり、最終的に1クリック1ドロー5クリックにまでなる。相変わらず手札を増やすことはできないが、クレジットを稼ぎつつスタックから新しいカードを得られるので、迅速にスタックを減らすのに貢献してくれそうだ。

 実際に対戦で使ってみれば《Exclusive Party》は思ったように機能する。序盤はスローながらもクレジットを稼ぎつつテンポよくスタックを減らしていけるのだ。

 

 しかし、「手札が増えない」のはやはり弱点でもある。ランナーのグリップ*1の枚数はランナーのHPとしても機能するため、多大なダメージを受ける可能性がある場合にはそれに備えて手札にカードを多く握っておきたいもの。

 特にJintekiとの対戦では容易にネットダメージが飛んでくる。不意のダメージでフラットラインしないよう常にグリップの枚数には気を使っておく必要があるほか、計画書《Obokata Protocol》をいつでも盗めるようにしておきたい。

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ときにグリップの枚数で明暗が分かれることがある

 

 最後はアーカイブに仕込まれていた《Bacterial Programming》を盗まされ、その返しのターンで《Punitive Counterstrike》されてフラットライン。や~ら~れ~た~!

 くっ……! 事前に他の計画書を盗めていればこんなことには……。

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6ミートダメージ!

 

 やはり手札は枚数が正義! 枚数だ! 枚数を確保するのだ!!

 《Exclusive Party》6枚を抜いて《Career Fair》と《Earthrise Hotel》に交換。《Earthrise Hotel》は3ターンの間自動で2枚ずつドローしてくれるのでクリックなしに手札の枚数を確保してくれる。その代わりインストールコストがかさむので《Career Fair》でカバー。

 しかし今度はクレジット不足で大苦戦。《Exclusive Party》が担っていたクレジット収入分を失った結果、4/2計画書をファストアドバンスする要となる《Vladisibirsk City Grid》をトラッシュするためのクレジットを確保できなくなり、《Light the Fire!》で対処するはめになるのだった。いやー、バランスって難しい。

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 結果コーポ相手の2戦ともボロボロに敗北。Standardに復帰してからランナーで勝ってない気がする。早々に勘を取り戻さねば……!

 次こそはランナーで勝ちたい!!

 

 

 そういえばエイプリルフールだったのか、カードのイラストに帽子が書き加えられるイベントが発生していた。

 今はもう見ることができないので、Discordに貼った画像の中から一部だけだが紹介しよう。

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 この帽子、実は《Bass CH1R180G4》のイラストにあるものである。

 なぜ帽子なのかは全然わからないが、なかなか芸が細かい。

 

 

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*1:手札