Diesel

ボードゲームを中心とした記事を書きます。

アンドロイド:ネットランナー Midnight Sun Booster Spoiler 後編

 NISEIが次にリリースする予定のアンドロイド:ネットランナーの拡張Borealisのセットの1つ、Midnight Sunが先行体験できるBooster Packの残りのカードが公表された。

nisei.net

 

 これでMidnight Sun Booster Packで追加される7つのカード全てが出揃ったことになる。Print and Playは既に可能。Jinteki.netでも近いうちに遊べるようになる予定のようだ。

 

 以前公開されたカードの紹介はこちら。

diesel.hatenablog.jp

 

 

 では早速追加されたカードを見ていこう。

 

 

Azef Protocol

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Azef Protocol

 Weyland Consortiumに与えられた新しい3/2計画書。

 3/2計画書といえば優れた効率に対してバランスをとるため、一部の例外を除いて追加アドバンスしなければ特に効果のないものがほとんど。その点新しいカードである《Azef Protocol》は得点時に2ミートダメージを飛ばす有利な効果を持っている。この計画書を見逃して得点を許すと2計画点に加えて手札を吹き飛ばされるペナルティも課されるのはなかなかつらいものがありそうだ。

 ただし有利な効果に対するバランスとして、得点するために「自分の他の*1インストール済みカードをトラッシュする」という追加コストが課せられている。ゲーム後半であればあるほどこの追加コストの負担は軽くなっていくが、逆に守りが薄く余分なカードが少ない序盤で得点するにはかなりカードを上手くやりくりする必要があるだろう。特に《Leela Patel: Trained Pragmatist》を相手にしているなら――Standardに彼女が復帰することがあるのならだけど――彼女のID能力と合わせて一気に2枚も盤面からカードを失うことになる。守りや経済基盤が崩壊しないように注意が必要だ。

 カードのイラストは激しく黒煙を上げ燃えながら沈むタンカーが印象的。その下の部分にはなにやらイカビークルも描かれている……のだがカードテキストでほとんど隠れてしまっている。見えないなんてもったいない!

 

 

Anemone

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Anemone

 JintekiからはICE セントリー/Sentry《Anemone》が参戦。うーんとってもJintekiらしい!

 サブルーチンだけ見ればなんの変哲もないICEだが、《Ping》同様レゾ時効果を持っている。対応できるアイスブレイカーをインストールしていようが、サブルーチンを全てブレイクできるだけのクレジットを持ってようが、そんなの知ったこっちゃない。2ネットダメージだ!

 《Kakugo》と《House of Knives》とこれを組み合わせれば、サブルーチンの解決なしに相当数のダメージを稼ぐことができてしまう。今まであれば《Snare!》へのアクセスを警戒で3枚以上のカードをグリップに握った状態でランするのが常識であったが、《Anemone》の警戒も必要となれば2枚追加して5枚のカードを握っていないと安心してランできない……という時代がやってくるのかもしれない。

 エンカウント時能力もサブルーチンの解決なしに実行されるので強い効果とされているが、レゾ時効果はそれの更に先を行く、エンカウントしなくても解決する効果。エンカウント時に迂回しようとトラッシュしようと、そのときすでに仕事は終えている。ランナーにとっては非常に対処が難しい存在と言えよう。

 インストールしてから1回しか起動しないのでトラップ/Trapと似た性質であるともいえる。《Divert Power》のようなカードでぜひ使いまわしてみたい。

 

 

Light the Fire!

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Light the Fire!

 で、でたーー!!

 トリを飾ったのはAnarchのカード。《Singularity》よろしくサーバーの中身をコストなしに全部トラッシュするばかりか、このラン中はサーバー内のカード効果を全て無効化する。最近Standardで幅を利かせている《Manegarm Skunkworks》も《Anoetic Void》もこれには無力。《NGO Front》もクレジットの持ち逃げはできない。《Interdiction》と似た効能もあると言える。

 《Stimhack》ほど万能であるとは感じないが、それでもサーバーに付与された効果を無効化できるのは超強力。サーバーの中で待ち受けるのが計画書なのかそれとも待ち伏せ/Ambushなのか、盗むためのコストやトラッシュコストが足りるかを気にする必要がなくなるので、多くのゲームで活躍できるポテンシャルを感じる。影響値が許すならAnarch以外の派閥でも積んでおきたくなるだろう。この強さに対しては1ブレインダメージなど些細なコストだろう。

 

 ……こんなに強くて大丈夫か……?

 

 

 

 Anarchのインパクトに比べると、追加カードがアイスブレイカーだったCriminalはかなり地味な印象を受けてしまうが、今回公開されたのはたったの7枚。Midnight Sunの極々わずかに過ぎない。他にもエキサイティングなカードが追加されるであろう本リリースをゆっくり待ちながら、新しいカードの研究を進めていくとしよう。