ネットランナー会レポート 22.01.21 『大量ドロー』
雪と寒さに耐えて迎えた新年3週目の終わり。まだまだ寒い日は続くだろうが、同時に鼻のムズムズが地獄のシーズン到来を予感させる。……サイバネで花粉フィルター換装できるようにならないかしら。
NISEIのブログによるとどうやら次のサイクルBorealisのリリースは半年先くらいになるそう。そのリリースを待ちつつ、Standardが恋しくなるまでしばらくはRAMことRandom Access Memoriesフォーマットで遊んでいようと思う。
前回の会では大変盛り上がったRAMフォーマット。今回は前回と同じカードプールで2週目。前回の対戦で得られた知見・反省を元により洗練されたデッキが集まったので紹介していこう。
Mass Drawing
RAMフォーマットはランダムにセットが選ばれる都合上、お決まりのカードのペアが作れたり作れなかったりするわけだが、今回のカードプールではランナーにもコーポにも手札上限を増やすカードが多く揃っていた。
その中でも特に極端なのが《Beach Party》というリソース。なんと手札上限が5も増える。クリックを補填する《Adjusted Chronotype》も共存してるのでデメリットを打ち消してくれるので怖いものなしだ。
さらに通常ドローアクションで引くカードが増える《Laguna Velasco District》も《Verbal Plasticity》もあれば、手札上限まで一気にドローするイベント《Game Day》もあったりととにかくドローサポートも豊富。
ランナーがとにかく手札上限を増やすので、《Cybernetics Division: Humanity Upgraded》の能力とブレインダメージでランナーの手札上限を下げて苦しめてやろうするのは相当分が悪かったのは間違いない。
ランナーにとってグリップに握った沢山のカードは行動の選択肢を増やすだけでなく、コーポからの攻撃に耐えきるための体力でもある。――とはいえこの回のカードプールにはランナーに大ダメージを狙えるようなコーポのカードはなかったりするわけだが――これだけ手札があればダメージを利用した戦法も使いやすいというもの。
ダメージを受けて起動できるカードといえば《Officer Frank》。このおばちゃんを頼ればランナーがダメージを受けたとき、コーポに仕返しをしてきてくれる。
わざわざコーポが殴ってくれるのを大人しく待つ必要はなく、自分でダメージを受けてもいい。ちょうどこのカードプールにはそれができるカード群が揃っている。ちょっとそこらの店で身体をチョチョイといじってもらえば……
特に《Titanium Ribs》は相性抜群。ダメージを受けつつ捨てるカードを自分で選べるようになるので、ダメージを受けつつキーカードを事故で失わずに済む。
手術で受けた痛みの恨みを《Officer Frank》に晴らしてもらったら、グリップからもう1枚出してすかさず起動。
倍プッシュだ!!
八つ当たりを受けてHQのカード全部捨てさせられるコーポ。……何もしてないのにひどいぜ……。
手札が多いと強いカードといえば《Faust》が思い浮かぶが、幸いにも今回のカードプールには存在していなかった。いたら大暴れ間違いなしだっただろう。
別のケースでコーポが大量ドローするパターンもあった。――とはいえコーポからすれば事故のようなものだったわけだが……
ランナーは《Fisk Investment Seminar》でドローを進めつつリグを拡充していく。
《Fisk Investment Seminar》はランナーもコーポも3ドローする特殊なドローイベント。
コーポもカードは沢山持っていた方が強い(ドローのためにクリックを使わなくて済む)ので、何の考えもなしに使えばただただコーポも得させてしまう。しかし、使い切れないほどのカードを握らせることができれば話は別。
1回目の《Fisk Investment Seminar》を受けたコーポはHQから3枚のカードをインストール。既にインストールしてレゾされている《Estelle Moon》にもどんどんカウンターが載っていく。《Estelle Moon》は能力を起動するとカウンター1つにつき2クレジットと1ドローを提供する資材だ。
コーポは手札上限の枚数のカードをHQに残したままターンエンド。
ちなみにこのときのコーポの手札はというと――
――全部計画書! あら、これは大変。
ちなみにこれはリプレイのスクリーンショットなので手札が公開情報になっているが、プレイ中のランナーはもちろんこのことは知らない。
次のランナーのターンでは2枚目の《Fisk Investment Seminar》をプレイ。お互いに3枚カードを引く。コーポの手札は……
なかなか苦しそうだ。
そういえばあんなところに無防備な《Estelle Moon》が。ランしてやろう!
このままランナーにトラッシュされればせっかく貯めたカウンターは水の泡。かといって能力を起動すれば10クレジット得ると同時に5ドローもしなきゃいけない。苦渋の選択の時だ。
い、いったー!!
漢(おとこ)の5ドロー!HQが溢れる プレッシャーをものともせず即断即決の能力起動!
このあとコーポのターン開始時の強制ドローでもう1枚追加されて手札15枚。手札上限の3倍以上のカードを抱えてこの先どうするのかー!!?
どうにもなってなかった。;;
流石に手札上限以上の計画書がHQに来てしまったらそれはもう手札から溢れて捨てるしかなくなってしまう。他に残しておきたいカードがあればなおさらだ。
アーカイブにランしたらこんなふうに表示されてバグかと思ったわ。
やっぱりSeamless Launchは強かった
前回今回と遊んでみたこのカードプールでは、計画書に擬態してランナーのランを誘える資材や強化に恵まれず、あらかじめアドバンスしてしまうとランナーから守り切るのは普通より難しい環境だったように思う。
そこで計画書を資材や強化に擬態させることが非常に有効だった。《Seamless Launch》は予めのアドバンスなしに4/2計画書や5/3計画書を得点するのに非常に役立ち、これを繰り返し使える《Haas-Bioroid: Precision Design》の優位性が非常に高く感じた。Standardでも戦える《Manegarm Skunkworks》と《Anoetic Void》のコンボもそのまま持ち込めるので非常に強いデッキとなった。
ランナー側ではコーポが対ウィルス能力にとぼしいことにつけこむ余地があり、各種ウィルスプログラムでコーポを苦しめる戦略が刺さることが多かったように思う。
特に《Tapwrm》はその強さを遺憾なく発揮しており、これをトラッシュにコーポは1ターン割かなければならなず、かといって放置もできないといった状況を多く作り出していた。
ランナーのウィルス全般が強かったので、2週目のコーポデッキでは《Macrophage》をがっつり採用して対策。このメタ読みはおおむね正しかったように思う。
次回のカードプール
さて、次の2週間で遊ぶRAMフォーマットのカードプールは以下のような抽選結果となった。
Large Releases
- Creation and Control
- Revised Core Set
Data Packs
- Trace Amount
- Opening Moves
- Mala Tempora
- Fear and Loathing
- Up and Over
- Old Hollywood
- The Liberated Mind
- Fear the Masses
- Earth's Scion
- Crimson Dust
- The Devil and the Dragon
- Magnum Opus Reprint
ざっとカードプールを眺めてみると、どうやら悪評/Bad Publicityがつけやすそうな環境なような気がする。
今回輝かなかったあのカードが活躍するかもしれない……