Diesel

ボードゲームを中心とした記事を書きます。

ネットランナー会 22.01.14 『RAMフォーマット開幕』

 過去のカードが使いたい。カードプールに新鮮さが欲しい。

 そういった要望をNISEI発フォーマットRandom Access Memories(以下RAMフォーマット)が満たしてくれるのか? それを確認するため、我々は今週もアマゾンの奥地ならぬネットの海でサイバーパンクなカードゲームに興じるのだ。見つけろ新コンボ! 目指せ勝利!

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 サイバーパンク要素の詰まったMagic神河のリリースも楽しみね。

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 RAMフォーマットには禁止カードが存在しないので、それがどんな凶悪なカードでも使えてしまう。禁止されるカードには禁止されるに足る理由があるので、それらが使えることに不安がないわけではない。……のだが、言い換えれば今までMWLやStandardで禁止されていたことによって使ったことのなかったようなカードを使うチャンスでもあるわけだ。

 まず使ってみたかったのはWeyland Consortiumの強化《Bryan Stinson》。ランナーの所持クレジットが6以下のときArchivesの取引/Transaction任務を除外してノーコストでその効果を解決できるという、条件付きながらも規格外な能力を持っている。

 例えば、プレイするのに3クリック必要なトリプル任務《Ultraviolet Clearance》も《Bryan Stinson》の手にかかれば――

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1クリック使って起動し、Archivesのカードを除外する。すると……

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10クレジット得て4ドローして1枚インストール

――プレイコスト6クレジットも、追加に消費が必要な2クリックも踏み倒してプレイできてしまう。しめて15クリック分の仕事を1クリックで行う計算だ。Oh, クレイジー……。ゲームが壊れないか心配になる。《Government Subsidy》とも相性◎。

 

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こんな能力してて実は「強化」カード

 しかも《Bryan Stinson》は強化なので計画書の得点用に厳重に守った遠隔サーバーにインストールしても邪魔にならず、中央サーバーでも運用できてしまう。普通「強化」といえばその効果を及ぼすのはそのサーバーに関することのみであるが、《Bryan Stinson》にはそれも当てはまらないまさに規格外な1枚。印刷するときに資材/Assetと書き間違えたんじゃないかと疑いたくなるね。

 

 

 しかし、そんなぶっ壊れカードが霞んでしまうくらい、ランナー側も悪名高いカードをコーポに叩きつけていた。ほとんどランせずにR&Dを破壊しつくすソリティアデッキの元凶。その名も《Data Leak Reversal》。

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 その能力はなんとコーポにR&Dのトップを1枚捨てさせるというもの。中央サーバーにランしてからでないとインストールできないとかタグされてないと能力を起動できないなど制約はあるものの、効果そのものは強力無比。R&Dを削られ続ければいずれデッキ切れで負け、そうでなくともArchivesに計画書が落とされれば簡単に盗まれてやはり負けと、放置すれば敗北一直線。

 タグされている状況でなければ効果を発揮しないのでランナーにとっても非常にリスクのあるカードなわけだが、今回のカードプールでは《Scorched Earth》や《The All-Seeing I》のようなタグでランナーを罰するカードはほとんどないのも追い風。

――と思いきや、《Data Leak Reversal》をトラッシュから守れるカードもほとんどなかったりするのもこの環境。《Wireless Net Pavilion》でリソースのトラッシュコストを上げるので精いっぱいなため、コーポは4クレジットでリソースをトラッシュし、ランナーは再び中央サーバーにランしつつ予備をインストールし直す、という激しい攻防が展開された。

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 ちなみにこのデッキでは《God of War》でタグを稼ぎつつ《Woman in the Red Dress》でコンボするというのをやってみた。R&Dのトップが計画書でコーポがドローしなければ《Data Leak Reversal》捨てさせ、ドローすれば《Docklands Pass》でHQから盗む作戦だ。

 

 

環境が変われば評価も変わる

 当時の環境では世界大会で活躍するほどのパワーを持った《Data Leak Reversal》もこのRAM環境においてはせいぜい数枚のR&Dを削れる程度。コーポの資金力が十分にない時を狙わなければ、ラン、インストール、2枚トラッシュするだけで次のターンにはトラッシュされてしまう儚い存在と化している。全てのICEを紙切れと化す力を持っていた《Şifr》も《Parasite》がなければちょっと強いコンソールという評価に落ち着いたように思う。

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 逆に《Tapwrm》はより評価を向上させた1枚。元々非常に強いカードであるが、《Cyberdex Virus Suite》のような手軽にウィルスカウンターのパージができる手段のないこの環境では、コーポはこれだけのために毎回3クリックを支払うことになるので非常につらい思いをするだろう。同じセットQuorumに対ウィルスICE《Macrophage》があるのがまだ救いか。

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 他にも汎用的にアイスブレイカーの強度を上げられるリソース《Dean Lister》が活躍したり、プログラムをトラッシュする強力な任務《Hunter Seeker》を妨害する手段がなかったりと、この環境で強力に機能するカードが存在している。

 特定のカードがないことで輝きを失ったカードがあれば、逆に輝きだすカードもある。StandardでもEternalでもなく、この環境だからこそ輝くカードを見つけ出すというのは、このRAMフォーマットでこそ楽しめる要素だと言えよう。

 

 カード同士のメタを見抜く目が鍛えられそうだ!

 このRAMフォーマットは2週間ごとにカードプールを入れ替える予定なので、もう1週同じ環境でプレイする。今回の反省を踏まえて次はどのようなデッキが登場するのか非常に楽しみだね。Let's be Running!

 

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