ネットランナー会レポート 21.09.17 『初めてのEternal』
アンドロイド:ネットランナーがLCGで展開されていた頃は、1枚しか入っていないカードを3枚集めるために基本セット(コア)を3箱買っていた人もいたそうな。これはアンドロイド:ネットランナーに限らず当時FFGで展開されていたLCG系のゲームでは当たり前のことだったらしい。既に持っているカードが重複するうえお財布にも優しくない。
最近のLCGであるMarvel Championsではこの点が改善され、デッキに入れられる上限までの枚数(特別なものを除いて3枚)は必ずセット内に含まれるようになった。昔のように一部のカードのためだけに追加のセットを買う必要はなくなったのだ。NISEIが販売しているSystem GatewayとSystem Update 2021のセットにはID以外のカードが3枚ずつ含まれているので安心してほしい。
ちなみに私の場合は、アンドロイド:ネットランナーの基本セットを自分で使う用と布教用とで第1版と第2版をそれぞれ2箱ずつ持っていたりする。
毎週金曜恒例のオンライン ネットランナー会。今回はリクエストに応え、いつものネットランナー会にStandardのデッキだけでなくEternalのデッキも用意して対戦に臨んだ。初めてのEternal環境に正直期待半分、不安半分だった。
ちなみにEternalはNISEIが提供する対戦フォーマットの1つで、一部の禁止カードを除く全てのカードを使用してデッキを組むことができる。普段遊んでいるStandardはローテーションによって古いセットのカードが使用できないが、Eternalでは最初期のカードも使用して遊ぶことができ、カードが禁止される基準もStandardよりかなり緩い。
使えるカードの種類が圧倒的に多いのでどのカードを使ってデッキを組むか迷うことになると予想していたが、幸いにも使いたいカードはすぐに見つかった。私がネットランナーを始めた頃にはローテーションや禁止制限によって既に使えなくなっていたIDだ。
ランナーサイドは《Noise: Hacker Extraordinaire》を使ったウィルス切削*1デッキ。ウィルスプログラムをインストールするだけでコーポにR&Dのトップを捨てさせるNoiseのID効果をフル活用するためにウィルスプログラムを沢山積んでひたすらR&Dを破壊しつくすのが目的だ。
このID能力の発動はターン1回なんてケチなことは言わずインストールしたらインストールしただけ発動する。ドローしてはインストール。《Aesop's Pawnshop》で売っては《Déjà Vu》や《Clone Chip》などでヒープから回収してインストールと、とにかくあらゆる手を使って毎ターンインストール回数を稼ぐ。《Fermenter》と《Cache》なんかはお金を生むウィルスなので、これを繰り返しているだけでクレジットもどんどん貯まっていく。
ICEの突破手段ももちろんウィルス。《Botulus》でサブルーチンをブレイクできる他、ふんだんに積み込んだ《Parasite》と《Chisel》でICEをトラッシュしてしまえばよいので、デッキ内にアイスブレイカーはゼロだ。
コーポサイドは《Cerebral Imaging: Infinite Frontiers》を使ったワンショットデッキ。こちらのブログのDead Count 13にインスパイアされたものだ。
theendofroadtohali.blogspot.com
このデッキの特徴はなんといっても1ターンで7点分の計画書をファストアドバンスするコンボを搭載していること。コンボには計画書も含めて11枚ものカードが必要で、Cerebral ImagingのID能力を利用して必要なカードを全てHQに集めてしまおうというわけだ。うーん、ロマン。
コンボの詳しい内容は上記のブログ記事を確認してほしい。
このデッキで勝つためにやることと言えばコンボパーツとなるカードを引いてそれを保持すること。クレジットを稼いでひたすらドロー! ドロー! ドロー!
《Violet Level Clearance》や《Ultraviolet Clearance》あたりをひたすら連打。オリジナルのデッキが活躍してた頃にはなかった《Rashida Jaheem》なんかを搭載してより素早くそれができるように調整してみている。
ICEを引いたら中央サーバーを優先して守る。《Marilyn Campaign》でクレジットを稼ぐ。《Marilyn Campaign》はトラッシュされるとR&Dに戻るのでICEで守らなくてもトラッシュされにくい。
R&Dが尽きようとしたころ、ようやくコンボに必要なカードが揃った。あとは順番にカードをプレイするだけ。ショータイムだ。
感想
EternalフォーマットではStandardで使えないようなカードをたくさん使うことができる。Standardを遊んでいるうちは触れることのないカードや懐かしいカードを使えることは確かに楽しい。しかしカードプールが潤沢な分、そこに秩序を作るのはかなり難しいとも同時に思った。ゲームを破壊しうる(楽しくない)と判断されるようなカードも使えてしまうからだ。
Eternalではいろんなカードが使えるその分、Standardとは比べものにならないほどデッキパワーが上がる。パワーが上がった結果、相手を無視して延々と手元でカードをやりくりするだけで戦えるようにもなってしまう。人間の対戦相手がいるゲームでそのようなデッキは存在できない方が良いに決まっている。
そのように感じる私はそうならない環境が整備されているStandardで遊ぶ方がいいのかもしれない。
楽しくないからという理由でStandardでは禁止されているカードがEternalでは使えてしまうので、気を付けないと楽しくないデッキを作ってしまいかねない。
— NLR (@NL24VEN) 2021年9月17日
――もしくは、新しくフォーマットを作ることを模索するか。