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ボードゲームを中心とした記事を書きます。

アンドロイド:ネットランナー Standardフォーマットのすゝめ

このブログでアンドロイド:ネットランナーのカードやコンボやデッキについて熱く語り始める前に、このゲームで最もメジャーな遊び方についてまとめておこうと思う。すでにこのゲームを遊んでいて、拡張を入れてさらに遊びの幅を広げたいという人の参考になればと思う。

 

これから遊び始めようという人は、アンドロイド:ネットランナーのインストについてはごん太さんがわかりやすくまとめて下さっているのでぜひご一読を。(宣伝)

biscuitpieces.jugem.jp

 

Standardフォーマットとは

フォーマットとはいわばゲームの形式であり、フォーマットによってどのカードが使えるのかや特殊なルールを定義している。アンドロイド:ネットランナーで最も遊ばれているフォーマットは何かといえばこのStandardフォーマットであろう。(たぶん。統計的な情報は持っていない)
元々はFantasy Flight Games(公式)によるNAPD Most Wanted List*1という名前で運用されていたものの延長であり、スタンダードというだけあってこのゲームの最も標準的な遊び方として存在している。

StandardフォーマットはNiseiという団体によって管理されており、最新の内容はNiseiのWebサイトのSupported Formatsから確認することができる。

 

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ちなみにNiseiとは、ここでは軽く触れるだけにするが、FFG*2による公式サポート終了後もアンドロイド:ネットランナーを存続させるために集まった人々による団体である。名前はこのゲームのコーポの一つであるJinteki(ジンテキ)が開発するクローン、ニセイから取られている。

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Jinteki社のニセイタイプのクローン達

 

Standardフォーマットの特徴

ローテーション

このフォーマットにおける最も特徴的なルールがカードプール*3のローテーションである。
ローテーションが発生するのは新しい拡張が追加されたときであり、新しい拡張と入れ替わりに古い拡張が使用できなくなる。
使い慣れたカードとの別れは非常に口惜しいことだが、これはカードプールが大きくなりすぎることを防ぐと同時に、使用可能なカードの一覧を変更することでプレイ環境を更新する役目を果たしている。

最近のローテーションではHonor and Profit(名誉と利潤)大拡張とSanSanサイクルのカードが使用できなくなった代わりとして、新しいコアセット*4System Update 2021と初心者導入向け拡張System Gatewayが追加された。

ちなみにサイクルとはデータパック*5の集合であり、FFG時代のサイクルは6個のデータパックからなる。
まだスタンダードで有効かつ日本語化されている拡張で例を出すならば、

  • クリムゾン・ダスト(Crimson Dust)
  • フリー・マーズ(Free Mars)
  • 血と水(Blood and Water)
  • 地球の末裔(Earth's Scion)
  • ステーション・ワン(Station One)
  • ダイダロス複合施設(Daedalus Complex)

からなるレッドサンドサイクルや、

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レッドサンド(Red Sand)サイクル
  • カンパラの支配(Kampala Ascendent)
  • ナルバーレの囁き(Whispers in Nalubaale)
  • 悪魔と竜(The Devil and the Dragon)
  • 頂の会議(Council of the Crest)
  • 白ナイルを下って(Down the White Nile)
  • 統治者の景色(Sovereign Sight)

からなるキタラサイクルがある。

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キタラKitara)サイクル

コアセット、大拡張および各サイクルにはそれぞれ固有のアイコンがあるため、手に持っているカードがどのセットに属しているかを知ることができる。

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アイコンからこれはレッドサンドサイクルのカードであることがわかる

カードセットのアイコンの意味を理解しておくとそのカードが現在スタンダードで有効かどうかをすぐに把握することができる。

2021年6月現在において有効なカードセットは以下の画像の通りである。

https://i.redd.it/g5bpqadzozm61.png

NISEI Formats Cheat Sheet (End Mar 2021) : Netrunner

 

Ban List

スタンダードフォーマットにおいて使用可能なカードを制限するルールがもう1つある。それがBan Listだ。

ゲームプレイを健全にするため、強すぎたり、一方的なコンボの元凶になるようなカードはFFG時代から禁止・制限の対象とされている。(2人で遊ぶゲームなのに相手が存在しないかのように機能してしまえるコンボはどこのゲームでもナンセンスだと思う)

FFG時代はNAPD Most Wanted Listという名前でカードの使用制限が設けられており、カード自体にデッキ構築時の特殊なコスト*6を課したり、禁止カードとは別に存在する制限リストに含まれるカードは1種類のみデッキに使用可能といったルールが存在していた。(このルールはいずれも強力な制限カードのどれをデッキに採用するが悩ましくて非常に好きだった)

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MWL2.2におけるランナーの制限リスト

スタンダードフォーマットに移ってからもしばらくは禁止制限ルールStandard MWLが用いられていたが、そのうち制限リストは撤廃され、そこにあったカードの一部は無制限に、そうでないカードは禁止リストに改めて加えられることになった。

この新しい禁止カードリストStandard Ban Listはそのバージョン名が更新時期を示す数字が末尾に加えられ、いつから実施されているかがわかるようになっている。
今は2021年5月から有効なStandard Ban List 21.05が運用されている。現在どのBan Listが有効か(そしてどんなカードが禁止されているか)はNISEIのページを確認しよう。

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Supported FormatsのStandard Ban List 21.05

Supported Formats - NISEI

 

近々Ban List 21.06が公表されるという噂なので、アップデートがあったら当ブログでお知らせしようと思う。

*1:ニューアンゼルス警察の指名手配書という名前のカードの禁止制限一覧。

*2:Fantasy Flight Games

*3:使用できるカードの範囲

*4:ゲームの最も基本となるカードセット

*5:小拡張のこと

*6:Global Influence