ネットランナー会レポート 21.08.20
先週末はRTAで盛り上がっていたが、同時にNISEI主催のアンドロイド:ネットランナー大会であるAsia-Pacific Continental Championship(APAC)も実は開催されていた。
優勝したのは《Sportsmetal: Go Big or Go Home》のデッキと《MaxX: Maximum Punk Rock》のデッキを使用したSokka氏。Sportsmetalのデッキはトップメタであるいつものファストアドバンス*1デッキといった感じだが、《Levy AR Lab Access》を失って落ち目と言われて久しいMaxXで優勝したという事実に大変驚かされた。
そのデッキリストをいち早く入手した我々はその尖り具合に更に驚くことになる。そして――
――まあ、試したくなるのが性(さが)というもの。
MaxX: Maximum Punk Rock
Event (26)
3x Apocalypse ●●●●● ●●●●
1x Day Job
1x Deuces Wild ●
3x Dirty Laundry
3x I've Had Worse
3x Labor Rights
3x Moshing
2x Out of the Ashes ●●●●
3x Overclock
1x Rebirth ●
3x Sure Gamble
Resource (6)
3x Daily Casts
3x Liberated Account
Icebreaker (8)
3x Black Orchestra
2x MKUltra
3x Paperclip
Program (5)
2x Fermenter
3x Stargate
15 influence spent (max 15, available 0)
45 cards (min 45)
Cards up to System Update 2021
こちらが優勝したMaxXのリスト。
やはり目を引くのは3枚積まれた《Apocalypse》だろう。
ひとたび起動すればインストールされたランナーのカードおよびコーポのカードを全て破壊しつくしてしまう。そのほかにも大量のイベントカードが搭載されており、一部を除けばそれらは全てカードをドローするかクレジットを稼ぐかするもので構成されている。
その代わりにリソースはクレジットを稼ぐ《Daily Cast》と《Liberated Account》の2種類3枚ずつと最小限で、ハードウェアにいたっては0枚と徹底してリグを構築しないようになっている。
どうせインストールしても《Apocalypse》の巻き添えになってしまうしね。
ゲームプランはこうだ。
まず《Fermenter》といったプログラムやイベント、リソースでひたすらクレジットを稼ぐ。デッキ内のほとんどのカードがクレジットに関係するので稼ぐのは容易だ。
そうしている間にMaxXのID効果でヒープにどんどんカードが溜まっていく。
このデッキに採用されているアイスブレイカー(《Black Orchestra》、《Paperclip》、《MKUltra》)はいずれもヒープからインストールできる能力を持っている。
クレジットを稼ぐことに集中しているだけでMaxXの能力でグリップにカードが補充されるうえ、アイスブレイカーの使用準備まで整うというわけだ。
なんともおいしい組み合わせ。
ヒープに落ちているとおいしいカードはもう1つある。
《Out of the Ashes》はランナーのターン開始時にヒープにあるこれをゲームから除外することでクリックを使用せずにランを開始できるという変則的なランイベント。
《Apocalypse》を使うにはHQ、R&Dとアーカイブにそれぞれランする必要があるので最低でも4クリック必要だが、《Out of the Ashes》でクリックレスなランをすれば全てを吹き飛ばした後で行動するクリックを残すことができるというわけだ。
アイスブレイカーも(ヒープに)揃ってクレジットもたんまり。あとは好きなタイミングで仕掛けるだけ。
コーポがどんなに遠隔サーバーから計画書を盗まれないように準備していても――
――全て破壊されてしまえば元の木阿弥。嗚呼無常。
インストールされたコーポのカードを全てをトラッシュし、インストールされたランナーのカードを全て裏向きに。
BOOOOOOOOMMMMM!!!!
守りを全て失ったコーポはランナーになされるがまま。
ICEもろともサーバーごと吹き飛ばした計画書をアーカイブから回収するもよし、丸腰になったR&Dを《Stargate》で掘りつくすもよし。
ランナーもリグの全てのカードを裏向きにされてしまうが、予備のアイスブレイカーはまだヒープに残っているしクレジットも余力がある。《Labor Rights》でヒープのカードを回収し、必要であれば第2第3の《Apocalypse》を仕掛けることも可能だ。
この対戦の他にも同じMaxXのデッキを使用して遊んでみたが全てこのMaxXが勝利した。やることが非常にシンプルで扱いやすく、使い辛いMaxXの能力とも非常に噛み合っている。
優勝デッキ、恐るべし…!!
もちろん、MaxXのデッキを体験する以外にも自分たちで組んだデッキでも対戦している。
必殺の23枚同時アクセス!
何があったかはまた別の機会のデッキ紹介で。
*1:計画書をインストールしたターンに得点することまたはその戦略