Diesel

ボードゲームを中心とした記事を書きます。

ネットランナー会レポート 21.08.06

お金持ちになりたい。

大富豪になって好きなものを好きなだけ買ったり、高い食べのもや服や家を持って、どこそこに影響力があって…、というのを望んでいるわけではなく、不労所得で働かずに今後の生活が維持できるようになればいいなぁくらいであれば一度は誰もが夢見るのではないだろうか。

 

アンドロイド:ネットランナーのカードの中には一度インストールしてしまえば永続的にクレジットを生み続けるカードが存在する。
コーポにももちろん存在するが今回はランナーのカードの話だ。 

かなり沢山のカードが存在しているようで、しかし永続的に毎ターンクレジットを供給してくれるカードというのは実はそれほど多くない。このゲームではクレジットはクリックなりカードなりを使用して稼ぐものであり、そのどちらも消費せずにクレジットを得るというのは非常に強い効果であるからだ。そして大抵それらには毎ターンクレジットを発生させるためのなんらかの条件が設定されている。

 

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《Data Folding》は空きメモリが2以上あるように保ち続ける必要がある。

《Aesop's Pawnshop》はかなり強力だが自分のインストール済みカードをトラッシュする必要がある。

《Tapwrm》はコーポが金持ちであるほどたくさん稼いでくれる優秀なプログラムだが、比較的簡単にトラッシュされてしまう。

 

それでも強力なことに変わりはなく、特に後者2つは過去に禁止制限リスト入りしてた強力なカードたちだが、うまく使うためにはなんやかんやと工夫が必要だ。

そのなんやかんやの工夫すら面倒だと感じる人のためにNISEIは新しいカードを作ってくれた。使い方は簡単。インストールするだけ。それ以外の手間一切必要なしという夢の不労収入だ。

 

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《Rezeki》はAshesサイクルで追加された、毎ターン1クレジット得られるShaperのプログラムだ。シンプルなテキストからわかる通り特に条件もなく、ただインストールすれば毎ターン開始時に1クレジット得られる。まあ、プログラムだからメモリは消費するんだけどね。

プログラムゆえにサーチ手段もコストの踏み倒し手段も豊富。おまけに安いと良いとこ尽くめで他の永続クレジットソースとの格の違いを感じさせる存在だ。これを使わない手はない。

 

Shaperはそもそもプログラムのサーチが得意な派閥だが、自身のID能力だけでそれをやってのけてしまう奴もいる。

 

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《Kabonesa Wu: Netspace Thrillseeker》はスタックからウィルスでないプログラムを探してインストール(しかも1クレジット安く)できるクリック起動型能力を持っている。
毎ターン利益を生むカードは可能な限り早いターンにインストールするほど受けられる利益が大きくなる。問題は如何に早くインストールするかだが、彼女にかかれば運悪く開始時手札に引けなかった《Rezeki》を1ターン目からインストールすることなど造作もないというわけだ。

ただしKabonesaの能力でインストールしたプログラムはターンの終了時にゲームから取除外されてしまう。 《Rezeki》は複数ターンにまたがって存在して初めて意味のあるプログラムなのでこのデメリットはかなり痛い。
そこでよく利用されるのが《Self-modifying Code》をクッションとして利用するコンボだ。

 

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その名前からよくSMCと略される

 

Kabonesaで《Self-modifying Code》を呼び出し、《Self-modifying Code》の能力を使って本命のプログラムをインストールする。本命のプログラムはKabonesaの能力でインストールしていないので、ターン終了時にゲームから除外されることもないというわけだ。

しかし単純にこのコンボを使用すると《Self-modifying Code》の使用コストも上乗せされるため、 《Rezeki》をインストールするのに使用すればコスト2クレジットが4クレジットになってしまい、元を取るのに時間がかかってしまううえ、コーポに大きな隙を晒すことになってしまう。そこでこれらのカードの出番だ。

 

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《Cold Read》はラン中に使用できる4クレジットをコスト0で捻出してくれる。適当なサーバーにランしながら《Self-modifying Code》を使用すれば、元手0クレジット《Rezeki》をインストールできてしまうというわけだ。使用したプログラムは《Self-modifying Code》だけなのでデメリットも無視できる。本命。

《Overclock》は通常のランのサポート用カードだが4枚目以降の《Cold Read》としても利用可能だ。元手1クレジットで《Rezeki》をインストールできる。

《Rejig》を使えばKabonesaの能力でインストールした《Rezeki》をインストールし直すことで除外されるのを防ぐことができる。Kabonesaの能力で1クレジット安くインストールできるので、こちらも元手1クレジットでインストール可能だ。

 

いずれの方法も初期手札にある《Rezeki》をそのままインストールするのと同程度もしくはより少ない負担で用意できるのである。元手も少なく、特に財布事情に厳しいゲーム序盤でも実行しやすいのがポイントだ。

1・2ターン目から複数の《Rezeki》をインストールしてしまえば、あとは勝手にクレジットがもりもり増えていくので、余ったクリックでコーポを攻める準備を整えていこう。アイスブレイカーが揃う頃にはクレジットもたんまりあるはずだ。

 

 

 

 

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 ランナーの7ターン目を終えた盤面。《DZMZ Optimizer》でようやくメモリが増やせたので3つ目の《Rezeki》をインストールしたところだ。メモリを2開けておくのは非常に重要。なぜなら――

 

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――コーポが怪しげなカードをインストールしたときにすぐチェックしにいけるように、《Mayfly》のためのメモリを空けておかねばならないからだ。
ちなみに《Mayfly》は使用後自壊するAIアイスブレイカーなのでKabonesaの能力でインストールしても安心。

 

エンカウントしたのは《Turnpike》。サブルーチンでランナーにタグを付けるために強度5のトレースを仕掛けてくるセントリータイプのICEだ。トレースに勝てば被害はないので、こいつ相手なら《Mayfly》を使うまでもなさそうだ。

 

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2点計画書

 

やったぞ計画書だ!

 

 

温存した《Mayfly》は本命のR&D攻略に使う。《Khusyuk》だ!

 

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《Khusyuk》はランナーのリグに表記インストールコストが同じカードがたくさん揃っているほど強くなるランイベントカード。今回は《Rezeki》をはじめとしたインストールコスト2のカードが5枚インストールされているので――

 

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リグにコスト2のカードが5枚存在する

 

――R&Dのトップ5枚を覗いてそのうち1枚にアクセスできる。

 

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大当たり!

《Offworld Office》が2枚見えたがアクセスできるのは1枚だけなので、そのうち1枚をありがたく盗ませてもらうことにする。このあとR&Dはシャッフルされてしまうので、見えたカードがまたR&Dのトップに戻って来るタイミングはわからない。

 

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2枚目ゲットだ

 

このあと打った2枚目の《Khusyuk》は残念ながらスカ。その間にもコーポは――

 

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――遠隔サーバー1の増強を進めていた。サーバー内に既に大量のカードがインストールされており危険な香りを漂わせている。計画書がインストールされたとわかったとしても、もしランすれば《Prisec》を始めとした数々の強化で大量のタグを付けられてしまうだろう。

こういうコーポの悪意に満ちたサーバーには危険すぎるので近寄ってはいけない。相手の土俵で戦わないことがこのゲームでうまく戦うコツだ。

 

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さらにカードが増えて2回アドバンスされる。3点計画書か!?

 

 

う~む……

 

 

もし本当にそうなら取りに行けば勝てる。だがもしそうでなければ……?
待つのはタグとダメージの山と、爆殺の未来。

 

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コーポはまだ3点しか持っていない。あのカードが仮に3点計画書だったとして得点されてもまだ負けることはない。

……フラットラインのリスクを冒すくらいなら無視した方がよさそうだ。ちょうどあのカードも手札にあることだしね。

 

 

食らえ! 抹殺のラストブリットおぉぉ!!

3枚目のフルパワー《Khusyuk》だあ!

 

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計画書あったああ!!!

 

無事7点目を盗んでGG。Server1の誘惑に耐えて大正解。

 

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圧倒的経済力を見せつけたこの対戦。《Rezeki》の強さが伝わっただろうか。
え? 《Khusyuk》が強かったんじゃないかって??

 

……。

 

 

代わりにドローに22クリックも使ってしまっているので、ドロー周りでまだまだ改善の余地があることがわかる。Jinteki.netの対戦終了時に表示されるウィンドウからも得られる情報はたくさんあるのだ。

 

 

 

ネットランナー会のタイミングでJinteki.netのサーバーの調子が悪く、快適に対戦できなかったので今回はコーポとランナー1戦ずつのみ。

来週はもっと遊びたい! 遊ぶぞ!!

 

 

それはそうとワクチン2回目の副反応は結構きつかった…。3日分の食料を買い込んでおくことを強くお勧めする。