Diesel

ボードゲームを中心とした記事を書きます。

ネットランナー会レポート 21.07.23

2021年東京オリンピックのために祝日を移動させて作られた4連休。
先日発売されたばかりの「ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD」も、正式にサービスが開始された「Pokémon UNITE」もこの4連休で大いに楽しんだが、毎金曜日にやるこのイベントはやはり欠かすことはできない!

 

 

休みだからちょっと早めに開始できた。

早速対戦を振り返っていこう。今回のランナーのデッキではこの暑い時期にぴったりな涼し気なカードを採用した。

 

 

最強の亀

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《Aumakua》はAIアイスブレイカーの1つ。AIを持つアイスブレイカーは他の一般的なアイスブレイカーと異なって対応するICEのサブタイプ(Barrier/バリア・Code Gate/コードゲート・Sentry/セントリー)が指定されておらず、どのICEのサブルーチンもブレイクできるという特徴を持っている。全てのICEに対応できるスマートなアイスブレイカというわけだ。

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普通のアイスブレイカーは特定のタイプのICEのサブルーチンしかブレイクできない

一般的なアイスブレイカーの上位互換のように感じるAIだが、一番内側のICEにしか使用できないとか使うとカードにアクセスできなくなるとか、大抵は何らかの使いにくい弱点を抱えている。《Aumakua》の場合はクレジットで強度を上げることができない。

 《Aumakua》は搭載したウィルスカウンターの数を参照して基礎強度が上がる能力を持っている。ウィルスカウンターを得るには開示という手段もあるが、ランを繰り返していれば自然とウィルスカウンターは溜まっていく。
クレジットで強度を上げることはできないが、逆を言えば強度を上げるのにクレジットが不要ということでもある一度強度が上がってしまえば自然に下がることはないので、《Paperclip》もびっくりな効率でICEを突破することが可能だ。コーポはこの亀を止めるためにわざわざ3クリックも使って、つまり1ターンなげうって「ウィルスカウンターの破棄(Purge)」を実行しなければならない。

涼し気とは言ったがここまでくると背筋が凍る思いだろう。
その性能ゆえに禁止するか議論されているとかなんとか。

 

だがコーポにだって対抗策がないわけではない。 サーバー全てをICEで守ってしまえばよいのだ。守りを固めた後でウィルスカウンターを破棄。強度0になった《Aumakua》はどのICEも突破できず途方に暮れ、ランナーは泣く泣く他に用意したアイスブレイカーを探しにスタックを掘り進めるほかない。
強度を上げるにはランに成功する必要があるが、強度が低いうちはICEを突破できない(=ランが成功しない)という悲しいジレンマを抱えているこの亀をどうにかして楽に使いたい。

 

 

――というわけで思い至ったのがこのIDとの組み合わせ。

 

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新デザインですごくいかつい見た目に

《Reina Roja: Freedom Fighter》は各ターンの最初にレゾされるICEのレゾコストを1上げる能力を持つ。高々1と思われるかもしれないが、これが意外とコーポを絞めつけてくれる。1クレジットでも足りなければICEはレゾできないうえ、レゾされないICEはないのと同じ。コーポがレゾできるICEを減らして遠慮なく《Aumakua》を育てようというわけだ。
さらにAnarch派閥はコーポにレゾを躊躇させるランイベント《Run Amok》に、レゾされなかったICEをトラッシュできる《En Passant》といったカードも擁している。コーポのクレジットが多少潤ってもこういったカードで強引に防御に穴をあけてランし続けることが可能だ。

 

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ICEをレゾしてもレゾしなくてもトラッシュ

 

試合開始。

コーポはクレジットをがっつり稼ぎつつ、2ターン目に遠隔サーバーにカードをインストール。遠隔サーバーはICEでガードされているがHQは丸裸だ。
これは好機とばかりに《Aumakua》をインストールしてHQに《Dirty Laundry》で突っ込む。

 

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アクセスしたのは《Punitive Counterstrike》
ランナーが計画書を盗んだ次のターンに直前のターンに盗んだ計画書ポイントの合計だけミートダメージを与えてくる恐ろしいカードだ。このカードを握っているということは、わざと《Obokata Protocol》のような3点計画書を盗ませてからカウンターでのフラットラインを狙っている可能性が高い。クレジットかグリップ*1が少ない状態で計画書を盗むのは非常に危険だ。

アクセスしたのがトラッシュコストのない任務のカードなので何もせずにHQにカードを戻してランを終了。《Aumakua》にはウィルスカウンターが載り、《Dirty Laundry》によるクレジットを得られたうえ、コーポがクレジットをがっつりため込んでいる理由と狙っている戦略も把握できた。上々である。

 

計画書を安全に盗むためにはコーポがHQに握りこんでいる《Punitive Counterstrike》を何とかする必要があることがわかった。任務カードをトラッシュしてコーポの計画をめちゃめちゃにするには《Imp》を使うのが簡単だが、アクセスしたカードをトラッシュするため《Aumakua》とは相性が悪い。
そこで今回採用したのがこのカードだ。

 

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《Maw》アーカイブ以外でアクセスしたカードを盗みもトラッシュもしなかったとき、コーポにHQのカードを1枚ランダムに捨てることを強制する効果を持つコンソール。発動する条件が似ているため《Aumakua》のウィルスカウンターを貯めつつ手札破壊を行える。

 

《Maw》をインストールしてまだ裸のHQにラン。
アクセスしたのはまたもや《Punitive Counterstrike》。たまたま同じカードを2回引き当てたか、もしかして2枚握っているのか……?

 

 

――とここで残念なことに作業中のPCが故障してこの試合のリプレイデータを失い、これ以上スクリーンショット付きで試合の様子をお届けすることができなくなってしまった。

試合の行く末が気になった方には申し訳ないが今記事はここまでにしておこう。

 

《Climactic Showdown》というカードの活躍の様子も伝えたかったがまた次の機会に。

 

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 ……早いところPCを復旧させないと。

*1:ランナーの手札