スリルと快感。弾幕パズルゲームBULLET♡
Level 99 Gamesの新作ボードゲームBULLET♡を遊んだ。
Level 99 Gamesといえば、日本でメジャーなのはMillenium Bladesだろうか。同じところから出ているArgentやBattleCon、Exceed Fighting Systemを遊んだことがあり、どれもこれも面白いゲームなので期待が高まる。Kickstarterで見かけたときはプレイヤー間のインタラクション薄そうと思って見送ってしまったけど。
BULLET♡は弾幕シューティングをテーマにしたボードゲームだ。ヒロインたちは自分たちに雨霰と降り注ぐ弾丸に対し、それぞれが持つ特殊能力で応戦する。
ゲームは一人以外もしくは全員が全滅するまでラウンドを繰り返す。The Last Girl Standing(最後まで立ってた奴の勝ち)方式。
プレイヤーにはそれぞれ袋が配られる。袋から1つトークンを引くたび、それは今まさにあなたに向かって飛んできている弾丸となる。引いた弾丸の色と対応するトラックの、上から空きスペースだけを数えてN番目のスペースにそれを配置する。Nは弾丸に書かれている数字だ。
弾丸が配置されていない縦列は空きスペースが6つ分存在するが、配置されるたびに空きスペースは減っていく。もし空きスペースが3つしかない状態で4が書かれた弾丸をその列に配置しなければならないとき、弾丸はその列を溢れて一番下へ。その矢印の先には――
――💔
弾丸はあなたに届いてしまう。
パターンカード
次々と飛来する弾丸を放置し続ければあっという間にボードは埋め尽くされてしまう。そうなれば瞬く間に被弾して脱落は免れない。
ヒロインの個性を反映したユニークなパターンカードを使って切り抜けよう。
例えばアーデルハイトの「燃え上がる間奏」を使えば、爆発マークのあるところ――赤い弾丸が横に連続して2個並んだ真上1マスずつ、すぐ右の1マスおよびその上の1マスの範囲――にある弾を排除できる。これらのパワーカードは毎ラウンド開始時に手札が3枚になるように補充されるので、これらのカードを惜しみなく使って弾幕を切り抜けよう。
右側のボードにあるのはヒロインが持つアビリティだ。弾丸を移動させたり追加のパターンカードを引いたりといったことが可能で、これらのアビリティはAPが払える限りは何度でも使用できる。
青のトラックに3つ目の弾丸が配置された。もしこのまま放置すれば、青の4の弾丸を引いたときに被弾してしまう。手札に先ほどのパターンカード「燃え上がる間奏」があるので使ってみよう。
アビリティを2回使って青の2の弾丸を真下に、青の4の弾丸を右上に移動して――
――こう!
裏返った弾丸はこのヒロイン、アーデルハイトの能力により任意の色とみなせるので、目当てのパターンカードの発動条件を満たすことができた。
それでは皆さんご一緒に。
「燃え上がる間奏」!!
排除範囲内に巻き込んで弾丸3つを排除できた。
BULLET♡ではこのようにパワーカードとアビリティを駆使して弾丸を排除していく。
いかに上手にこれらの能力を使うかが生き残るカギだ。パワーカードおよびアビリティの使用は袋から新しい弾丸を引く前後に好きなだけ行えるぞ。
星マークが付いた弾丸はボーナス付き。1つ排除するたびに星マークのアビリティが発動する。大体はそれでAPを回復できるので、うまく狙って排除すれば更なる弾丸の排除が狙えるだろう。
ちなみにひっくり返った弾丸はこのヒロインの星マークのアビリティによるものだ。
袋から弾丸を全て引ききるまで弾丸は飛来する。
無事生き残れただろうか? 生き残ったならパワーアップを受け取って次のラウンドに備えよう。自分の場に残された弾丸はそのまま次のラウンドに持ち越される。
増幅
排除した弾丸は左隣のプレイヤーに送られ、待機エリアに溜まっていく。自分の待機エリアにも右隣のプレイヤーが排除した弾丸がどんどん送られてくる。
これら待機エリアに置かれた弾丸はラウンド終了後そのプレイヤーの袋に加わる。右隣のプレイヤーが沢山弾丸を排除すれば排除するほど、次のラウンドの自分への弾幕は厚く激しくなるのだ。
それに加え、Intensity Trackによる弾丸の追加もある。
待機エリアの弾丸と同様、Intensity Trackが示す数の弾丸も袋に加えられる。これによって加えられる弾丸はラウンド毎に増えていく。新しいラウンドを迎えるたびに袋の重みが増すのを感じられるだろう。
できるのはいち早く他のライバルが倒れることを祈りつつ目の前の弾丸を排除することに集中することだけだ。できるだけ沢山弾丸を排除して相手の負担を増やそう。
ここまでがBULLET♡を遊ぶ際の一連の流れだ。あとは最初に書いた通り、生存者が1人になるか全滅するかまで上記のラウンドを繰り返す。
大事なことを1つ言い忘れていたが、パワーカード・アビリティの使用は3分の間に行わなければならない。
……え?
実はこのゲームはラウンド開始時終了時を除いてリアルタイムに進行する。
よーいドン!でゲームを開始したら、可能な限り急いで袋から弾丸を配置し、アビリティで弾丸を操作し、パターンカードで弾丸を排除する、を次々と行わねばならない。
殺意満々の相手を目の前にしてゆっくり考えを巡らせる時間はないのだ。
タイムオーバーするとそれ以降パターンカードもアビリティも使用できない。袋が空になるまでひたすら弾丸を引くだけになる。
そうなればあとは溢れんばかりの弾丸がボードに配置されるのを眺めるのみ。モタモタしていた者の末路だ……
協力モード
プレイヤー間で協力し、一人のNPCヒロインと戦うモードも存在する。
このモードでは排除した全員の弾丸を集めてボスのシールドを破るのに使用する。なんと1ラウンド3分間の制限はなくなり、ゆっくり考えて遊ぶことができる。
全員が共通で仲間に対して使えるアビリティが追加され、消しづらい弾丸を送り合ったりできる。時間制限がないので、仲間のボードを確認しつつ相談しながらゆったりとパズルを楽しむことができる。
間奏感想
ボードに向かって一人で黙々と遊ぶゲームかと思っていたが、遊んでみたらその認識は間違っていたことがわかった。
ヒロインはそれぞれ様々な特徴を持ち、得意不得意とする弾丸のパターンも異なる。自分が排除した弾丸はすなわち次ラウンドの相手への攻撃となるので、あえて特定の数字を避けて排除を試みるといった戦略も不可能ではない。そうでなくともできるだけたくさんの弾丸を送り付ければ相手の悲鳴が聞こえてくるはずだ。
どこに降って来るかわからない弾丸。限られたAPとパターンカード。
全ての弾丸を対処しきるのはかなり難しい。ゲームの後半になればなるほどそういう場面は増えてくる。リソースを温存するために、あえて弾丸がボードに溜まる危険を冒して袋に手を突っ込む場面もあるだろう。
だが、危険を冒してうまくマッチするパターンに辿り着けたときは、星マーク付きの弾丸をうまく沢山排除できたときと同じくらいエキサイティングできる。
大きなリターンを得るためにどれだけ大胆に弾丸を引けるか、そしてどこでリスク回避のために行動するか。
リスクをコントロールしきった先に勝利がある。それがBULLET♡というゲームだった。
1回のプレイ時間は15分~20分程度で、プレイ回数を重ねるほど上達を感じられるゲームであるため、繰り返し遊ぶのにぴったり。
ぜひプレイしてこのハラハラドキドキを味わってほしい。