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ボードゲームを中心とした記事を書きます。

Standard Ban List 21.10 アナウンス

 NISEIのブログでStandard Ban List 21.10が発表されたので早速内容を確認していこう。

nisei.net

 

 

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 この変更を見てまず驚いた。

 禁止(banned)より禁止解除(unbanned)の方が多いじゃないか!と。

 使えるカードが増えるのは嬉しいね。

 

 

 今回の改定はHaas-Bioroid派閥の弱体化とランナーの全体的な底上げが目的な様子。

 Haas-Bioroid派閥に関しては、圧倒的スピードで計画書を得点して勝つ《Haas-Bioroid: Precision Design》と《Sportsmetal: Go Big or Go Home》のデッキが大会で大暴れし、そのスピードについてこれないランナーのデッキを駆逐した。

 それらのデッキの計画書密度を下げるために採用されていたのが《Project Vacheron》だ。これは21.10から禁止される。

 

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 3点計画書だがランナーのスコアエリアに加わってもすぐには点数にならないという防御能力を持っている。
 4ターン経てば普通の3点計画書なのだが、少ないターン数で勝つことを目指すこれらのデッキにとっては十分すぎる長さだった。せっかくランナーがこの計画書を盗んでも得点化する頃にはゲームは終わってしまっているのだから。

 

 盗まれても痛くも痒くもない3点計画書のおかげで中央サーバーを手薄にしても戦えてしまっていたし、かなり無茶な攻め方ができるとは常々思っていたので致し方なし、といったところか。

 

 

 Haas-Bioroidの弱体化と同時に他の派閥を上方補正するためのカードがいくつか解禁されている。

 強力なクレジットエンジンを内蔵している《Azmari EdTech: Shaping the Future》はそのデッキ上限の少なさと合わせた強さでNBNの一強となっていたため禁止されていたがこの度復活。(禁止解除

 

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 禁止解除の理由としては以前のような強力なICEや他のカードが禁止されたりローテーションによってスタン落ちしたことで弱体化したからだそう。

 System Update 2021とSystem Gatewayが加わったStandard環境ではまだ存在していなかったIDなので、新しい環境でどう活躍するか楽しみだ。

 

 同じような理由でWeyland Consotiumの《Gagarin Deep Space: Expanding the Horizon》も返ってくる。(禁止解除

 

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 資材/Assetを大量に並べたうえでの《Tour Guide》との組み合わせが超強力だったがローテ落ちにより失い、まさに牙を抜かれた状態。

 

 IDの選択肢が増えたのはとても嬉しいことだし、まだ一度も使ったことのないこのIDを今の環境でどう活躍させるかを考えるのは非常に楽しみ。《NBN: Controlling the Message》とは一味違ったアセットスパムが楽しめることを期待しよう。

 

 

 最近目立った活躍のなかったJintekiは《 Kakugo》と《 Shipment from Tennin》を解禁。(禁止解除

 

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 《Kakugo》はランナーが通過できるようになってからも仕事する優秀なICE。通過させつつも仕事する様は《Data Raven》と似ているなと思っていた。

 あまりにも仕事しすぎてランナーのグリップをごりごり削ってしまうが故に禁止されていたが、今のJintekiにはこれくらい仕事のできるICEが必要だということだろう。

 

 《Shipment from Tennin》は《Sting!》や《House of Knives》をファストアドバンスする手段を減らすために禁止されていたが、それらを主に採用する《Jinteki: Personal Evolution》が禁止されるのと入れ替わりで復帰した。

 

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 《Jinteki: Personal Evolution》はNISEIが以前からずっと注目していたがついに禁止リスト入り。初代基本セットからずっと存在する皆勤賞的なIDだったが、やっぱり強かったんだなぁ。

 次の拡張であるBorealisサイクルはこのIDが存在していることを前提にデザインされているためまたすぐに復帰するかもしれないそう。

 

 大拡張「Honor and Profit/名誉と利潤」が落ちたばかりでカードプールがガクっと減ったばかりのJintekiだが、《Jinteki: Personal Evolution》を失ったことで現在Standardで使用できるIDは以下の通りに。

 

 

 このうち下3つはお金を得る能力を持ったIDなので、Jintekiを遊ぶときは実質3種類のタイプからIDを選ばなければならない。いくらなんでも減りすぎである。

 《Jinteki: Personal Evolution》の早期復帰とBorealisで追加されるであろうJintekiの新IDがユニークな能力を持っていること期待してやまない。

 

 

 一方ランナー側、《419: Amoral Scammer》は《Aumakua》との組み合わせが弱いICEで薄く守るタイプのコーポデッキを駆逐していたり、ランナーの多様性を失わせるほど強力なことから禁止リスト入りとなった。

 

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 以前からコーポのクレジットを毟り取るのが得意だった。ところでこの男の名前はなぜ数字なんだろう……?

 

 《PAD Tap》と《Mad Dash》の解禁は加速するコーポのスピードにランナーを追いつかせるための措置のようだ。

 どちらも日本語化されているので日本人プレイヤーにとっては馴染み深いカードなのではないだろうか。

 

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 《Mad Dash》はFFGの時代から制限入りしていたパワーカードの1つ。NISEIのブログでは特に触れられていなかったが、高速化したコーポに追いつくための得点源としてと、3点計画書で計画書密度を下げようとするコーポに対する牽制として働くことが期待されていると思われる。

 確実に計画書を盗むなら《Stargate》との組み合わせが強そうだ。

 失敗しても1ミートダメージ受けるだけなので、コーポが得点しようとしている遠隔サーバーへの攻撃に積極的に使ってみるのもよいだろう。

 

 《Encore》も禁止解除となったが、こちらは今のStandardでは最早脅威ではなくなったというかなり消極的な理由。

 

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 《Encore》を連打するためにクリックを増やす主な手段であった《Hyperdriver》は失ってしまったし、コンボを決めるためのパーツをキープする《Bookmark》ももうない。

 これが返ってきたところでShaperが強くなることはほとんどないというのが正直な印象だが、面白そうなカードが返ってくるのは大歓迎。

 これを使った戦術が有効かどうかは試してみたいところではある。

 

 

 Standard Ban List 21.10が有効になるのは明日から。

 しばし新環境を楽しもう。

 

 

 

 

 

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