Diesel

ボードゲームを中心とした記事を書きます。

ネットランナー会レポート 21.08.13

先日開催されたRTA in Japan Summer 20021。デジタルゲームのReal Time Attackに挑戦するこのお祭り、ポケットモンスター ソード・シールドは4人がそれぞれ異なる方法でタイムアタックに挑んで大盛り上がりを見せつつスタートし、最後のリングフィットアドベンチャー18万人もの観衆が見守る中素晴らしい記録が打ち立てられた。

本来一人で遊ぶためのゲームだが、こうしてそれぞれの技術を駆使したタイムアタックという形で競技化され、1分1秒を削るべくしのぎを削り合う。

特にラストのリングフィットアドベンチャーRTAは熱い実況解説と常人には真似しえないプレイングが相まって非常に面白かった。一見の価値ありなのでまだ見てない人はぜひ見てほしい。

 

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スピードランでもこんなに盛り上がれる。対戦ゲームだけがe-sportsではないね。

 

 

ところでスピードランで競争と言えば我々も負けてない。
どちらが先に7点取るか、コーポとランナーの非対称なレースは今週もネットワーク上で激しく火花を散らす。

ICEをものともせず序盤から中央サーバーに圧を掛けるランナー!
リグが整う前に計画書の得点を狙うコーポ!

これが我々のスピードランだ!!

 

 

――というわけで今回はスピードに長けたコーポデッキの紹介。
Standard環境では《Sportsmetal: Go Big or Go Home》を使ったファストアドバンス*1デッキがトップメタとして君臨しているが、流行りに関係なくいろんなカードの可能性を試すのが私の趣味だ。

 

 

 

The Second Deal 21.06

Pālanā Foods: Sustainable Growth

Agenda (10)
3x Cyberdex Sandbox
3x Flower Sermon
3x Offworld Office
1x Viral Weaponization

Asset (12)
3x Pālanā Agroplex
3x Political Dealings
3x Rashida Jaheem
3x Spin Doctor ●●●

Operation (7)
1x Ark Lockdown ●●
3x Hedge Fund
3x Seamless Launch ●●●●● ●

Upgrade (4)
1x Cyberdex Virus Suite
3x La Costa Grid

Barrier (4)
2x Data Loop ●●●●
2x Envelope

Code Gate (5)
3x Diviner
2x Macrophage

Other (3)
3x Sadaka

Sentry (4)
2x Anansi
2x Karunā

15 influence spent (max 15, available 0)
20 agenda points (between 20 and 21)
49 cards (min 45)

 

 

このリストは《Political Dealings》《Flower Sermon》の2枚のシナジーに着目して作成された。《Political Dealings》はレゾしてから機能するタイミングが不確定な資材だが、これを《Flower Sermon》で確実に機能させようというのが今回のコンセプトだ。

 

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《Political Dealings》はドローしたカードが計画書であればそれを公開して即座にインストールすることができる。一方、《Flower Sermon》は1ターンに1度計画カウンターを消費しカードを2枚ドロー。それからHQ(手札)からカード1枚をR&D(山札)のトップに戻すことができる能力を持っている。このドローで計画書が引ければランナーのターン中にも計画書がインストールできるし、引けなくてもHQの計画書をR&Dのトップに移動させられる。次のドローで確実に計画書を引き、やっぱりインストールできるというわけだ。どう転んでも有効活用できるお得な組み合わせ。

しかもランナーのターン中にインストールが完了してしまえば、《Clot》によるファストアドバンス封じを回避できてしまう。まさに良いこと尽くし。わくわくするね!

 

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ただ、この2枚だけでは計画書を得点までもっていくことはできない。このデッキに含まれる計画書は全てアドバンス要求4。インストールが完了しただけでは3クリックで得点できないからだ。
そこで採用したのがSystem Gatewayで追加されたこれ。

 

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《Seamless Launch》はこのターンにインストールしていないカードに2個のアドバンスカウンターを載せることができる。ランナーのターンにインストールした計画書に使用して必要なアドバンス回数を稼いだり、《Political Dealings》によるランナーのターンにインストールする方法が機能し始める前に忍ばせた計画書を得点するのにも使える。

とはいえ毎度ランナーのターンに計画書のインストールができるとは限らないのでセカンドプランも用意しておこう。

 

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《La Costa Grid》は超強力な強化カードで、インストールしただけの4/2*2計画書を得点化するサポートができる。単独で使ってももちろん強いが、コーポのターンが始まる前(厳密には《La Costa Grid》の能力を解決する前)に計画書をインストールしてしまえば、ランナーがランする間もなく素早く得点してしまえる。

コーポのターン開始時にドローできるカードといえば常連《Rashida Jaheem》やSystem Gatewayの新カード《Spin Doctor》などがあるが、もっと安定して使えるカードも存在する。

 

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《Pālanā Agroplex》はターン開始時にコーポにもランナーにもドローさせる効果を持つ資材。ID《Pālanā Foods: Sustainable Growth》と組み合わせて使えと言わんばかりの効果であるが実際強力で、毎ターンドローしつつクレジットも稼ぐことができる。ランナーにとっても有利であるがゆえにトラッシュされにくいのもポイント。トラッシュコスト、バカ高いしね…。
コーポの行動を加速させつつコンボパーツにもなる。このデッキにとってまさに夢のようなカードだ。

 

ランナーのターン終了時に《Flower Sermon》でHQの計画書をR&Dのトップに仕込み、コーポのターン開始時にこれら資材で仕込んだ計画書をドロー! 《Political Dealings》でサーバーにインストールして《La Costa Grid》でアドバンスカウンターを置く……。

この流れるようなカード操作で、先ほどまで影も形もなかった計画書がクリックを使うことなく1アドバンスされた状態で用意される。あとは3回アドバンスを実行するだけだ。
少々コンボに必要なカードが多いように思えるだろうが、この戦略の強みは全てが揃わなくても4/2計画書得点のサポートとして機能できることにある。《Pālanā Agroplex》による加速の恩恵もあってスピーディーに計画書の得点を仕掛けられるのだ。

 

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10ターン目で勝利。実際早い。

 

ファストアドバンスを狙うのであればアドバンス要求3の3/2計画書を採用する方が簡単である。一方4/2計画書はファストアドバンスに向かない計画書だ。しかし、どれも得点時に強い効果をもたらすものも多く、得点しつつアドバンテージも稼ぐことができる。継戦能力を維持できるので隙も作りづらい。

それに、高い壁ほど挑み甲斐があるというもの。

 

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4/2計画書は得点できさえすれば強い。それを安全なファストアドバンスで得点するというのはプレイヤーであれば誰もが夢見ることだろう。あれこれ頭を悩ましてロマンの実現方法を考えられるのもデッキ構築要素のあるゲームの良いところだ。

 

 

今回は《Pālanā Foods: Sustainable Growth》《Pālanā Agroplex》《Political Dealings》といった同じサイクルに収録されたカードによるデザイナーズコンボを最新のカードたちで拡張する形でのデッキ構築を行った。
まだしばらく先になるだろうが、次のローテーションで使用できなくなるのはこれらMumbadサイクルのカードであるため、ローテーションまでに心残りがないようにMumbadサイクルのカードを使い倒しておきたい。

 

 

*1:計画書をインストールしたそのターンに得点すること

*2:4アドバンス要求2計画点

ネットランナー会レポート 21.08.06

お金持ちになりたい。

大富豪になって好きなものを好きなだけ買ったり、高い食べのもや服や家を持って、どこそこに影響力があって…、というのを望んでいるわけではなく、不労所得で働かずに今後の生活が維持できるようになればいいなぁくらいであれば一度は誰もが夢見るのではないだろうか。

 

アンドロイド:ネットランナーのカードの中には一度インストールしてしまえば永続的にクレジットを生み続けるカードが存在する。
コーポにももちろん存在するが今回はランナーのカードの話だ。 

かなり沢山のカードが存在しているようで、しかし永続的に毎ターンクレジットを供給してくれるカードというのは実はそれほど多くない。このゲームではクレジットはクリックなりカードなりを使用して稼ぐものであり、そのどちらも消費せずにクレジットを得るというのは非常に強い効果であるからだ。そして大抵それらには毎ターンクレジットを発生させるためのなんらかの条件が設定されている。

 

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《Data Folding》は空きメモリが2以上あるように保ち続ける必要がある。

《Aesop's Pawnshop》はかなり強力だが自分のインストール済みカードをトラッシュする必要がある。

《Tapwrm》はコーポが金持ちであるほどたくさん稼いでくれる優秀なプログラムだが、比較的簡単にトラッシュされてしまう。

 

それでも強力なことに変わりはなく、特に後者2つは過去に禁止制限リスト入りしてた強力なカードたちだが、うまく使うためにはなんやかんやと工夫が必要だ。

そのなんやかんやの工夫すら面倒だと感じる人のためにNISEIは新しいカードを作ってくれた。使い方は簡単。インストールするだけ。それ以外の手間一切必要なしという夢の不労収入だ。

 

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《Rezeki》はAshesサイクルで追加された、毎ターン1クレジット得られるShaperのプログラムだ。シンプルなテキストからわかる通り特に条件もなく、ただインストールすれば毎ターン開始時に1クレジット得られる。まあ、プログラムだからメモリは消費するんだけどね。

プログラムゆえにサーチ手段もコストの踏み倒し手段も豊富。おまけに安いと良いとこ尽くめで他の永続クレジットソースとの格の違いを感じさせる存在だ。これを使わない手はない。

 

Shaperはそもそもプログラムのサーチが得意な派閥だが、自身のID能力だけでそれをやってのけてしまう奴もいる。

 

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《Kabonesa Wu: Netspace Thrillseeker》はスタックからウィルスでないプログラムを探してインストール(しかも1クレジット安く)できるクリック起動型能力を持っている。
毎ターン利益を生むカードは可能な限り早いターンにインストールするほど受けられる利益が大きくなる。問題は如何に早くインストールするかだが、彼女にかかれば運悪く開始時手札に引けなかった《Rezeki》を1ターン目からインストールすることなど造作もないというわけだ。

ただしKabonesaの能力でインストールしたプログラムはターンの終了時にゲームから取除外されてしまう。 《Rezeki》は複数ターンにまたがって存在して初めて意味のあるプログラムなのでこのデメリットはかなり痛い。
そこでよく利用されるのが《Self-modifying Code》をクッションとして利用するコンボだ。

 

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その名前からよくSMCと略される

 

Kabonesaで《Self-modifying Code》を呼び出し、《Self-modifying Code》の能力を使って本命のプログラムをインストールする。本命のプログラムはKabonesaの能力でインストールしていないので、ターン終了時にゲームから除外されることもないというわけだ。

しかし単純にこのコンボを使用すると《Self-modifying Code》の使用コストも上乗せされるため、 《Rezeki》をインストールするのに使用すればコスト2クレジットが4クレジットになってしまい、元を取るのに時間がかかってしまううえ、コーポに大きな隙を晒すことになってしまう。そこでこれらのカードの出番だ。

 

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《Cold Read》はラン中に使用できる4クレジットをコスト0で捻出してくれる。適当なサーバーにランしながら《Self-modifying Code》を使用すれば、元手0クレジット《Rezeki》をインストールできてしまうというわけだ。使用したプログラムは《Self-modifying Code》だけなのでデメリットも無視できる。本命。

《Overclock》は通常のランのサポート用カードだが4枚目以降の《Cold Read》としても利用可能だ。元手1クレジットで《Rezeki》をインストールできる。

《Rejig》を使えばKabonesaの能力でインストールした《Rezeki》をインストールし直すことで除外されるのを防ぐことができる。Kabonesaの能力で1クレジット安くインストールできるので、こちらも元手1クレジットでインストール可能だ。

 

いずれの方法も初期手札にある《Rezeki》をそのままインストールするのと同程度もしくはより少ない負担で用意できるのである。元手も少なく、特に財布事情に厳しいゲーム序盤でも実行しやすいのがポイントだ。

1・2ターン目から複数の《Rezeki》をインストールしてしまえば、あとは勝手にクレジットがもりもり増えていくので、余ったクリックでコーポを攻める準備を整えていこう。アイスブレイカーが揃う頃にはクレジットもたんまりあるはずだ。

 

 

 

 

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 ランナーの7ターン目を終えた盤面。《DZMZ Optimizer》でようやくメモリが増やせたので3つ目の《Rezeki》をインストールしたところだ。メモリを2開けておくのは非常に重要。なぜなら――

 

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――コーポが怪しげなカードをインストールしたときにすぐチェックしにいけるように、《Mayfly》のためのメモリを空けておかねばならないからだ。
ちなみに《Mayfly》は使用後自壊するAIアイスブレイカーなのでKabonesaの能力でインストールしても安心。

 

エンカウントしたのは《Turnpike》。サブルーチンでランナーにタグを付けるために強度5のトレースを仕掛けてくるセントリータイプのICEだ。トレースに勝てば被害はないので、こいつ相手なら《Mayfly》を使うまでもなさそうだ。

 

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2点計画書

 

やったぞ計画書だ!

 

 

温存した《Mayfly》は本命のR&D攻略に使う。《Khusyuk》だ!

 

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《Khusyuk》はランナーのリグに表記インストールコストが同じカードがたくさん揃っているほど強くなるランイベントカード。今回は《Rezeki》をはじめとしたインストールコスト2のカードが5枚インストールされているので――

 

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リグにコスト2のカードが5枚存在する

 

――R&Dのトップ5枚を覗いてそのうち1枚にアクセスできる。

 

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大当たり!

《Offworld Office》が2枚見えたがアクセスできるのは1枚だけなので、そのうち1枚をありがたく盗ませてもらうことにする。このあとR&Dはシャッフルされてしまうので、見えたカードがまたR&Dのトップに戻って来るタイミングはわからない。

 

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2枚目ゲットだ

 

このあと打った2枚目の《Khusyuk》は残念ながらスカ。その間にもコーポは――

 

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――遠隔サーバー1の増強を進めていた。サーバー内に既に大量のカードがインストールされており危険な香りを漂わせている。計画書がインストールされたとわかったとしても、もしランすれば《Prisec》を始めとした数々の強化で大量のタグを付けられてしまうだろう。

こういうコーポの悪意に満ちたサーバーには危険すぎるので近寄ってはいけない。相手の土俵で戦わないことがこのゲームでうまく戦うコツだ。

 

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さらにカードが増えて2回アドバンスされる。3点計画書か!?

 

 

う~む……

 

 

もし本当にそうなら取りに行けば勝てる。だがもしそうでなければ……?
待つのはタグとダメージの山と、爆殺の未来。

 

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コーポはまだ3点しか持っていない。あのカードが仮に3点計画書だったとして得点されてもまだ負けることはない。

……フラットラインのリスクを冒すくらいなら無視した方がよさそうだ。ちょうどあのカードも手札にあることだしね。

 

 

食らえ! 抹殺のラストブリットおぉぉ!!

3枚目のフルパワー《Khusyuk》だあ!

 

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計画書あったああ!!!

 

無事7点目を盗んでGG。Server1の誘惑に耐えて大正解。

 

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圧倒的経済力を見せつけたこの対戦。《Rezeki》の強さが伝わっただろうか。
え? 《Khusyuk》が強かったんじゃないかって??

 

……。

 

 

代わりにドローに22クリックも使ってしまっているので、ドロー周りでまだまだ改善の余地があることがわかる。Jinteki.netの対戦終了時に表示されるウィンドウからも得られる情報はたくさんあるのだ。

 

 

 

ネットランナー会のタイミングでJinteki.netのサーバーの調子が悪く、快適に対戦できなかったので今回はコーポとランナー1戦ずつのみ。

来週はもっと遊びたい! 遊ぶぞ!!

 

 

それはそうとワクチン2回目の副反応は結構きつかった…。3日分の食料を買い込んでおくことを強くお勧めする。

ネットランナー会レポート 21.07.30

先週は愛用のパソコンが破裂音と共に停止し、起動不能になるアクシデントに見舞われた。幸いにも電源ユニット以外に異常はなく、次の日には家電量販店に走って交換部品を購入。無事復活させることができた。
パソコンは私にとっていろんな創作活動やゲームを行うためのプラットフォームであり、生活の一部として存在するものだ。――そしてそこそこ高価なパーツを積んでいるので、もしそれらがサージ電流によって吹き飛んでしまっていたらしばらくショックで寝込んでいたかもしれない。。

 

ちなみにAndroidの世界では、企業の報復として屈強な鉄パイプ男がやってきてランナーの家や機材をぶっ壊そうとしてくる。怖すぎるよ。

 

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4ミートダメージ受けるから壊さないで!

 

 

無事ネットランナー会が始まるまでにパソコンを復旧できたのでいつもの環境で参加することができた。
というわけで、

ランナー側にShaper・Anarch・Criminalのいずれにも属さない少数派閥と呼ばれるID達が揃ったので、今回は彼らの特徴を紹介しよう。

 

 

強迫観念に縛られた哀れな機械人形 Adam

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《Adam: Compulsive Hacker》はプログラムされた衝動に突き動かされてランするバイオロイドのランナーだ。そのフレーバーの示す通り3つのDirective/指令をインストールされた状態でゲームを開始する。それらの指令はAdamにパワーを与える反面、彼の行動を縛るとしても機能するという、数多あるこのゲームのカードの中でも特にユニークなものだ。

 

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ゲームスタート時にゲーム外からインストールされる。デッキに入れる必要はない。

 

Adamとしてコーポに挑むプレイヤーはゲームスタート直後からインストールされているDirectiveにより、マルチアクセスや自動ドローといった恩恵を受けることになる。クレジットを稼いでカードをインストールして数ターンかけて徐々に強くなる他の全てのランナーと比べてかなり優位な点だ。ただしどのDirectiveにも大きな代償を伴っているため、これらとどううまく付き合うかという悩みを抱えることになる。自分の意志とは無関係に行動を強制させるAdamを体現した能力と言えるだろう。

 

そんなAdamだがその強迫観念とも言える思考に彼自身悩まされており、その悩みから彼を開放する手段も彼の派閥のカードとして存在している。

 

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そのハンマーで殴ったのは自分の頭か、指令を送っていた誰かなのか

 

《Independent Thinking》は自分のインストールされているカードをドローに変換するイベントだ。Directiveをトラッシュすればドロー効率は2倍。がっつりとスタックを掘り進めるその様はまさに古い自己を捨てて新しい自分を探すAdamを体現しているといえよう。

 

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不要なカードをインストールして準備しつつ…

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1クリックで8枚の大量ドロー!


ちなみにこのAdamはこのあと《Gravedigger》をインストールし――

 

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――墓荒らしになった。R&D切削*1戦法である。

なりたい自分は見つかったか……?

 

 

企業の雇われランナーかつ2児の母 Sunny

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このAndroidの世界に登場する多くのランナーは名声、富、破壊などを目的にランする無法者たちだが彼女は違う。《Sunny Lebeau: Security Specialist》はセキュリティー企業グローバルセックに雇われているランナーだ。彼女は自身の家族の生活の安定のために働き、セキュリティー向上のためにランをする。

Sunnyのテキスト欄は空で一見して派手な能力を持っていないように見える。特色と言えば影響値上限が25もあることと(これは自分の派閥のカードが少ない少数派閥のIDが持つ共通の特徴だが)リンク強度が他のランナーに比べて1か2か高いことだ。
リンク強度の数値の差はわずかだが、この2という数値にこそ彼女の強さの秘密が隠されている。

 

Cloud/クラウドのサブタイプを持つプログラムはランナーのリンク強度が2以上である限りメモリの空きを消費しないという特徴を持つ。Sunnyのアイスブレイカーもそうだ。

 

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任意の数のサブルーチンがブレイクできる点も見逃せない

 

アイスブレイカーによって本来消費するはずだったメモリに余裕ができるので、他のサポート用プログラムを同時に運用する余裕が大きく存在する。空きメモリを参照する《Data Folding》やリンク強度2以上であることを求める《DreamNet》といったリソースの恩恵も受けやすい。

リンク強度の高さにより本来の使い道であるトレースに勝つことも非常に得意だ。Sunnyのカードにはいくつか自らトレースを挑むものがあり、彼女のコンソール《Security Nexus》もその1つだ。

 

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先週のレポートで挙げた《Aumakua》で越えられないICEはこのコンソールの能力を使って迂回してしまえるので閉め出しを受けにくくなる。基礎トレース強度は高めだが、《Security Nexus》が出ている時点でSunnyの基礎リンク強度は3もあるのだ。コーポは負けるとわかっているトレースにクレジットを出したくないので、大抵の場合わずか2クレジットでどんなICEも突破できてしまう。

 

残念ながらリプレイデータが利用できなくなってしまったので画像はお見せできないが、対Sunny戦では《Aumakua》を止めることができずに敗北した。
リンク強度が高いSunnyにしてみれば、《Aumakua》他ウィルスプログラムの天敵《Macrophage》ですら紙切れにしてしまえるのだ。

あれ? Sunnyとこの亀、想像以上に相性良くね……?

 

 

 

ネットに棲むデータを壊すもの Apex

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Android世界のネットに存在する意思を持ったデジタルな存在、それが《Apex: Invasive Predator》だ。その由来や正体といったものは謎に包まれており、ランする動機も不明。ただわかっているのは、奴はデータがあればそれを食い荒らしにやってくるということだけだ。(Adamも人間でないがこいつは人型すらしていない!)

 

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全てを破壊する。相手も自分も。

 

《Apocalypse》はApexの特徴を説明するのに最もわかりやすいカードだ。発動条件は難しいが、成功してしまえばその見返りは絶大。コーポがこつこつカードをインストールして作り上げた盤面を更地する。サーバーを守っているICEだろうがトラッシュコストの高い資材だろうがお構いなくだ。
その代償としてランナーのインストール済みカードは全て裏向きになる。裏向きになったカードはタイプや名前や効果やコストといったその全ての情報を失い、ただの「インストールされたカード」になる。データを構成するバイナリがおかしくなればデータが壊れて読み込めなくなってしまうように、ランナーのカード自体も壊れて意味消失してしまうというわけだ。
ID能力ではグリップのカードをこうした意味消失したカードに毎ターン変換できる。特に何もしなくても自分の身(?)すら徐々に蝕んでしまえるわけだが、こうやって生まれる裏向きインストールカードに使い道がないわけではない。

 

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どちらもシンプルな効果。Apexに難しいことはわからない。

 

Apexのアイスブレイカーとコンソールもこれの特徴をよく表している。これの唯一のアイスブレイカーである《Endless Hunger》を見るとわかる通り、タグが付こうがダメージを受けようが「ランさえ止まらなければ他はどうでもよい」のだ。そして《Heartbeat》によって自らにまとったデータを鎧と化し、こうした無謀なランによって受けるダメージは全て防ぐことができてしまう。

なんてクレイジーなんだ! 最高にクールだぜ!

普通に考えたらインストール済みカードを燃料にするなんてものすごくコストパフォーマンスが悪いことだが、Apexなら毎ターン1枚無料で(裏向きにだけど)インストールしたり《Reboot》を使ったりとで燃料補給可能だ。《Apocalypse》もあるしね。

 

クールなApexだが、残念なことにリアル世界に縁がないせいでVirtual/仮想でないリソースをインストールできないというかなり強力なデメリットを持ってしまっている。強力なクレジットソースはリソースに集中しているため、その選択肢を大きく狭めてしまうほか、せっかくインストールしてもそのアイデンティティともいえる《Apocalypse》の巻き添えになってしまう。

Oh、、なんてクレイジー……

 

Apexはその使い辛さ故かなりの雑魚色物扱いされているが、それゆえに研究のし甲斐もあるというもの。Apex愛のこもったデッキ考察はまた別の機会に回すとして、今後のネットランナー会でもApexがやれるやつだということを示していきたいと思う。

 

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うむ、悪くない結果だ。

*1:MTG Wiki - 切削

ネットランナー会レポート 21.07.23

2021年東京オリンピックのために祝日を移動させて作られた4連休。
先日発売されたばかりの「ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD」も、正式にサービスが開始された「Pokémon UNITE」もこの4連休で大いに楽しんだが、毎金曜日にやるこのイベントはやはり欠かすことはできない!

 

 

休みだからちょっと早めに開始できた。

早速対戦を振り返っていこう。今回のランナーのデッキではこの暑い時期にぴったりな涼し気なカードを採用した。

 

 

最強の亀

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《Aumakua》はAIアイスブレイカーの1つ。AIを持つアイスブレイカーは他の一般的なアイスブレイカーと異なって対応するICEのサブタイプ(Barrier/バリア・Code Gate/コードゲート・Sentry/セントリー)が指定されておらず、どのICEのサブルーチンもブレイクできるという特徴を持っている。全てのICEに対応できるスマートなアイスブレイカというわけだ。

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普通のアイスブレイカーは特定のタイプのICEのサブルーチンしかブレイクできない

一般的なアイスブレイカーの上位互換のように感じるAIだが、一番内側のICEにしか使用できないとか使うとカードにアクセスできなくなるとか、大抵は何らかの使いにくい弱点を抱えている。《Aumakua》の場合はクレジットで強度を上げることができない。

 《Aumakua》は搭載したウィルスカウンターの数を参照して基礎強度が上がる能力を持っている。ウィルスカウンターを得るには開示という手段もあるが、ランを繰り返していれば自然とウィルスカウンターは溜まっていく。
クレジットで強度を上げることはできないが、逆を言えば強度を上げるのにクレジットが不要ということでもある一度強度が上がってしまえば自然に下がることはないので、《Paperclip》もびっくりな効率でICEを突破することが可能だ。コーポはこの亀を止めるためにわざわざ3クリックも使って、つまり1ターンなげうって「ウィルスカウンターの破棄(Purge)」を実行しなければならない。

涼し気とは言ったがここまでくると背筋が凍る思いだろう。
その性能ゆえに禁止するか議論されているとかなんとか。

 

だがコーポにだって対抗策がないわけではない。 サーバー全てをICEで守ってしまえばよいのだ。守りを固めた後でウィルスカウンターを破棄。強度0になった《Aumakua》はどのICEも突破できず途方に暮れ、ランナーは泣く泣く他に用意したアイスブレイカーを探しにスタックを掘り進めるほかない。
強度を上げるにはランに成功する必要があるが、強度が低いうちはICEを突破できない(=ランが成功しない)という悲しいジレンマを抱えているこの亀をどうにかして楽に使いたい。

 

 

――というわけで思い至ったのがこのIDとの組み合わせ。

 

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新デザインですごくいかつい見た目に

《Reina Roja: Freedom Fighter》は各ターンの最初にレゾされるICEのレゾコストを1上げる能力を持つ。高々1と思われるかもしれないが、これが意外とコーポを絞めつけてくれる。1クレジットでも足りなければICEはレゾできないうえ、レゾされないICEはないのと同じ。コーポがレゾできるICEを減らして遠慮なく《Aumakua》を育てようというわけだ。
さらにAnarch派閥はコーポにレゾを躊躇させるランイベント《Run Amok》に、レゾされなかったICEをトラッシュできる《En Passant》といったカードも擁している。コーポのクレジットが多少潤ってもこういったカードで強引に防御に穴をあけてランし続けることが可能だ。

 

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ICEをレゾしてもレゾしなくてもトラッシュ

 

試合開始。

コーポはクレジットをがっつり稼ぎつつ、2ターン目に遠隔サーバーにカードをインストール。遠隔サーバーはICEでガードされているがHQは丸裸だ。
これは好機とばかりに《Aumakua》をインストールしてHQに《Dirty Laundry》で突っ込む。

 

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アクセスしたのは《Punitive Counterstrike》
ランナーが計画書を盗んだ次のターンに直前のターンに盗んだ計画書ポイントの合計だけミートダメージを与えてくる恐ろしいカードだ。このカードを握っているということは、わざと《Obokata Protocol》のような3点計画書を盗ませてからカウンターでのフラットラインを狙っている可能性が高い。クレジットかグリップ*1が少ない状態で計画書を盗むのは非常に危険だ。

アクセスしたのがトラッシュコストのない任務のカードなので何もせずにHQにカードを戻してランを終了。《Aumakua》にはウィルスカウンターが載り、《Dirty Laundry》によるクレジットを得られたうえ、コーポがクレジットをがっつりため込んでいる理由と狙っている戦略も把握できた。上々である。

 

計画書を安全に盗むためにはコーポがHQに握りこんでいる《Punitive Counterstrike》を何とかする必要があることがわかった。任務カードをトラッシュしてコーポの計画をめちゃめちゃにするには《Imp》を使うのが簡単だが、アクセスしたカードをトラッシュするため《Aumakua》とは相性が悪い。
そこで今回採用したのがこのカードだ。

 

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《Maw》アーカイブ以外でアクセスしたカードを盗みもトラッシュもしなかったとき、コーポにHQのカードを1枚ランダムに捨てることを強制する効果を持つコンソール。発動する条件が似ているため《Aumakua》のウィルスカウンターを貯めつつ手札破壊を行える。

 

《Maw》をインストールしてまだ裸のHQにラン。
アクセスしたのはまたもや《Punitive Counterstrike》。たまたま同じカードを2回引き当てたか、もしかして2枚握っているのか……?

 

 

――とここで残念なことに作業中のPCが故障してこの試合のリプレイデータを失い、これ以上スクリーンショット付きで試合の様子をお届けすることができなくなってしまった。

試合の行く末が気になった方には申し訳ないが今記事はここまでにしておこう。

 

《Climactic Showdown》というカードの活躍の様子も伝えたかったがまた次の機会に。

 

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 ……早いところPCを復旧させないと。

*1:ランナーの手札

ネットランナー会レポート 21.07.16

ハードな夕立にも負けず今週を乗り切ったランナー達が集まるネットランナー会。
今回行われた多くの試行錯誤と挑戦について語っていこう。

 

 

Builder of Nations

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 ICEに対してアドバンス(投資)をすることでその能力を強化する特徴を持つWeyland Consortiumという派閥。最近はBuilt to Lastというアドバンスしながらもクレジット面で優位に立つIDが追加されたが、同じデッキ下限40枚の《Weyland Consortium: Builder of Nations》だってまだまだ負けてはいない。

 

このIDの能力はアドバンスされたICEへの最初のエンカウント終了時*1に、ランナーに1ミートダメージを与えるというもの。一見地味だが、実はランナーをじわじわと苦しめるかなりいやらしい効果である。ランナーが最初にエンカウントするアドバンスされたICEが《Kakugo》のような能力を持つと想像するとその恐ろしさがわかるだろうか。ランナーがどこにランしようと、そこにアドバンスされたICEがある限り毎ターン1ミートダメージを受け続けることになる。
そして、《Kakugo》は回避が難しいその能力故に禁止カードに指定されている。

 

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通過するランナーに1ネットダメージ。まさに通りたければそれ相応の覚悟が必要だ。

 

そんな強力な能力であるが、効率よく発動するためにはどこのサーバーもアドバンスされたICEで守る必要があるうえ、それを用意するのはかなり大変なことである。アドバンスするというのは1クリックを払って1クレジットを消費するのと同義であり、ご存じの通りこのゲームでは何をするにしてもクレジットが必要である。コーポが1ターンに使えるクリックは3しかない。繰り返していればアドバンテージを失うどころかランナーを迎え撃つための準備も滞る、負担の大きいアクションである。できることならその負担を軽減したいところであるが、それを叶えるカードはまさに存在している。

 

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《Masvingo》は自身に搭載されたアドバンスカウンターの数だけ「→ランの終了」のサブルーチンを得るBarrier/バリアだ。アドバンスカウンターをたくさん置けば《Endless EULA》もびっくりな障害物に化ける。
アドバンスカウンターが0個だとサブルーチンも0個になるが、このカードの偉いところはレゾしたときに自動的にアドバンスカウンターが1個置かれるところにある。自動的に《Weyland Consortium: Builder of Nations》の効果の条件を満たすため、コーポはこれをインストールするだけでよい。あとはランナーが通りかかるのを待つだけだ。

《Oduduwa》はアドバンスできないICEだが、そのレゾコストに見合う強力な働きをするICEでもある。ランナーが 《Oduduwa》にエンカウントするたびこれの上に1つアドバンスカウンターを置き、その後これの上のアドバンスカウンターの数と同じだけのアドバンスカウンターを他のICEの上に置くことができる。エンカウント時にアドバンスカウンターが置かれるためID効果の条件を満たすうえ、他のICEにまでアドバンスカウンターを置くため、ID効果の発動に非常に貢献してくれる。

 

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《Wall to Wall》は毎コーポのターン開始時に様々なボーナスをもたらしてくれる。その中でもICEにアドバンストークンを置く効果を使えば、わざわざアドバンスしなくてもID効果を起動できるICEの数を増やすことができる。《PAD Factory》は起動するにはクリックが必要であるが、クレジットを消費せずにアドバンスカウンターを置くことができる。こちらは《Wall to Wall》と違ってインストールされたカードであればどれでもよいため(なんとランナーのカードでも可)、ICEだけでなく計画書へのアドバンスの際にも経済面で貢献してくれる。
どちらのカードも「アドバンス可能な」という制限なくアドバンスカウンターを置くことができるため、《Oduduwa》のような直接アドバンスできないICEにもカウンターを置くことができるのがミソである。

 

せっかくアドバンスされたICEがたくさん用意できたところで、ランナーにランしてもらわないことには持ち腐れであるため、ランに勤勉でないランナーの尻を叩くためのカードも用意してやるとなお良いだろう。

 

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死の宣告

 

特に《Masvingo》の前に《Oduduwa》を置いてランナーを誘い込めば、1ミートダメージのついでにICE突破のためのクレジットをたんまりむしり取ることができる。

 

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Oduduwaによって成長したMasvingo

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ランする体力が残っていない…

 

まんまと戦略に載せられた結果、終盤にはほとんどランすることができなくなっていた。完敗である。

 

 

 Jumon

デッキを用意する際、私は何かしらのチャレンジの達成を目指してデッキを組むことがある。チャレンジというのはデジタルゲームでいうトロフィーや実績の解除というニュアンスが近いのだが、例えば《Meteor Mining》で隕石をランナーに降らせてフラットラインさせるとか、

 《Lady Liberty》《Government Takeover》を得点するとか、

 

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 一見無謀に見えるロマンを追い求めるプレイングをするというものである。
チャレンジの内容は自分で決めているのでどこかにそういうリストがあるわけではないが(作ってもいいかもしれない)、今回挑戦することにしたチャレンジはこちら。

 

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《Jumon》を得点して勝つ。

 

《Jumon》とはアドバンス要求6に対して2計画点しかない計画書である。その代わりに毎自分のターン終了時にサーバー内にインストールされたカードにアドバンストークン2個を置くことができる。得点することでクリックもクレジットも消費しないのでサーバーを守ったりクレジットを稼ぎながらアドバンスカウンターを稼げるようになる超強力なカードである。1枚得点しさえすれば勝ちは確定したようなものだ!

 

――と思いたいところだったが今回はうまく振るわず、残念ながらチャレンジは失敗に終わった。

 

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3クリックでカードをインストールしたうえ3アドバンスできる

《Saraswati Mnemonics: Endless Exploration》はまさに《Jumon》を得点するためのような能力を持っている。このID能力を使えばインストールしつつアドバンスカウンターを置けるため、1ターンで計画書をインストールしつつアドバンスカウンターを3つ置いた状態にできる。次のターンで3回アドバンスすれば2ターンで得点できるというわけだ。
しかしこのID能力を使った場合、次のコーポのターンまでインストールしたカードはレゾも得点もできなくなる。《NGO Front》とは相性が悪い。2ターンで6アドバンス要求の計画書を得点できるとはいえ、3アドバンスもされたカードを守り切れなければ3クレジットと3クリックまるまる損することになる。なかなかにリスキーだ。

3アドバンスされた怪しいカードをランナーから守るためには強力なICEでランナーを牽制し、《Urtica Cipher》のようなカードの存在を匂わせておく必要があるだろう。

 

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アクセスで2ネットダメージ。アドバンスカウンター毎に追加1ネットダメージ。


どうせならより大きなダメージが出る《Project Junebug》が欲しいところだが、ローテ落ちしてしまっているので採用できない。残念。

 

対戦ではなんとかランナーの隙を突いて得点するところまでこぎ着けたものの、その後無料でアドバンスカウンターが増えるという利点を活かせず。

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無料でアドバンスできても守り切れなければ意味はないのだ

 

《False Flag》を安全な得点源にするという作戦だったが、それでは時間がかかりすぎてランナーが準備を整えることを許してしまったのだ。

 

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3計画点になるかわりに7アドバンスも必要

またいつかチャレンジするときは別の作戦を考えて臨みたい。

 

 

ではまた来週。

ネットランナー会レポート 21.07.09

ご参加ありがとうございました!
今週のネットランナー会の様子についてお届けしていこう。

 

 

 

Null

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《Null: Whistleblower》はICEの強度を下げる能力を持っている。この能力はAnarchのいくつかのカードと相性がよく、問題のアイスブレイカーもこの男なら使いこなせるのでは……という期待を込めての採用となった。

さて、問題のアイスブレイカーとは、、

 

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問題児

System Gatewayで追加されたAnarchのデコーダー/Decoder、《Buzzsaw》だ。
強度1上げるのに3クレジット必要で自前で強度を上げるのが馬鹿らしくなるような性能をしている。1クレジットでサブルーチンを2つもブレークできるのは偉いが強度が足りなければブレークもできないため、その力を発揮することは困難に思われていた。

 

――しかしチャンスは巡ってきた。

 

Standard Ban List 21.06への改訂により、よく使用されていた強度の高いコードゲート/Code Gate ICEが3枚禁止される。障害となるこれらが環境から姿を消したことによって、《Buzzsaw》が残りのコードゲート/Code Gateをズタズタに切り刻むことが可能となったというわけだ。これを逃す手はない。

とは言え他にも強度の高いコードゲート/Code Gateが存在していないわけではない。まともに突破しようと思えばとんでもない額のクレジットが必要になる。不意にそういったICEにぶつかったときのために、《Null: Whistleblower》の能力でサポートしてやろうというわけだ。

 

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禁止されたコードゲートたち

他にも《Ice Carver》《Leech》《Devil Charm》《Chisel》などサポートするためのカードをてんこ盛りにしてある。
《Leech》《Chisel》をサポートする目的で入れた《Knobkierie》と、《Knobkierie》を使うなら…と入れた《Imp》の方が活躍してたのは気のせいではないかもしれない……。

 

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最強コンビ

 

余談であるが、キラー/Killerのアイスブレイカーとして昔ながらの《Mimic》を採用している。これだけ《Buzzsaw》のサポートを充実させたのだから、強度を上げられない《Mimic》も安心して使えると見込んでの採用だ。安くて基礎強度も高いしね。

 

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System Update 2021での新デザイン

Anarchのフラクター/Fracterには同様の問題を抱えた問題児《Berserker》が以前から存在している。今回の厚いサポート体制なら採用できるか?…という考えが一瞬頭をよぎったが、優秀な《Paperclip》と比較して良いところが何一つなかったので、そんな愚かな考えはすぐさま捨て去った。せめて基本強度がもっと高ければ選択肢に入るのだが……。

 

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なぜお前は生まれてきたのか

 

Reality Plus

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《NBN: Reality Plus》 は各ターンに1回ランナーがタグを受けるたびに2クレジット得るか2ドローできる能力を持ったNBNの新IDだ。NBNはタグを付けるのが非常に得意な派閥。
タグを付けるカードもタグから利益に繋げるカードも沢山持っているが、このIDはなんとタグを付けるだけで報酬を得られる。目的もなくタグを付けまくるだけの運用でもOKというわけだ。そして、タグを付けるだけで2クレジットを得られるということは、タグを伴うカードのコストを差し引き2クレジット軽減できるということでもある。

 

強力だけど起動コストが悩みの種でかつタグが付くカードと言えば?

そう、我らが《Snare!》だ。

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こちらも新デザイン。見た目の印象がかなり違う。

ランナーがこのカードにアクセスしたとき、コーポが4クレジットを支払うことで強烈な3ネットダメージとなぜかタグまで付いてくる。一番最初のCoreセットからずっと現役のにくい奴。手札3枚未満でランしてはいけないとか、ラストクリックでランは避けるように巷で囁かれているのは何を隠そうこいつが原因だ。ラストクリックでこいつを踏み抜いたらタグを剥がせないからね。

強力な待ち伏せ/Ambushカードだが、起動するには4クレジットが必要と少々財布に優しくない。せっかくランナーがアクセスしてもクレジットが足りずに起動できず悔しい思いをしたプレイヤーは数多くいるだろう。
ところが《NBN: Reality Plus》であれば払ったうちの半分のクレジットが返ってくる。相変わらず4クレジット握っていないといけないことには変わりはないが、消費するクレジットは実質半分なのでかなり使いやすくなるだろう。同じ理由で《Prisec》とも非常に相性が良い。

 

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弱Snare!。インストールしてないと効果を発揮しないが数で勝負できる。

 

《Snare!》を3枚と他にタグを付けられるカードをたくさん積み込んだら準備OK。ランナーがタグを処理しきれなくなったら《BOOM!》でトドメを刺そう。

 

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ドーン! 7ミートダメージ。ランナーは死ぬ。

 

 

Null vs. Reality Plus

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ランナーがリグの構築に手間取っているうちにコーポは2枚の計画書を得点して5点を先制。ランナーは得点するための遠隔サーバーにある《Funhouse》を嫌って《Chisel》を感染させる。
コーポは得点によってクレジットを使い切っている。手札にある《Knobkierie》を使えば隙だらけのR&Dを攻めながら《Chisel》を成長させられそうだ。

 

 

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ドローして引いた《Imp》をインストールしているうちにコーポは2クレジット得て新しく遠隔サーバーを作ってカードをインストール。2クレジットならまだまだ余裕~♪とR&Dに突っ込むもレゾされたのは《Turnpike》。1クレジット失ったうえトレース強度5の勝負に挑まなければならない。負ければタグが付きコーポは2クレジットを得るが、勝つための5クレジットは結構な出費である。う~ん悩ましい。

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与えてしまった2クレジットでコーポは《Regolith Mining License》を起動してクレジットを回復。遠隔サーバーに計画書と思わしきカードをインストールした。これを得点されると負けてしまうので、当然盗りにいかなければならない。
《Chisel》とNullのID効果の合わせ技で《Funhouse》をトラッシュ!

 

 

 

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遠隔サーバー内で待ち受けていたのは《AMAZE Amusements》。このまま計画書を盗んでしまうとこのカードの効果により強制的に2タグ付けられてしまう。
だが心配ご無用。《Imp》を使ってアクセスした計画書をトラッシュしてタグを回避! あとでアーカイブから回収することにする。

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 危機は乗り切ったもののコーポはクレジットを回復して強気の構え。
遠隔サーバーを増強してまたカードを1枚インストール。これが計画書だったら負けてしまうのでランナーは準備を整えて突入。コーポにリーチがかかってる今何がなんでもランせねばならぬ――――あれ、ICEレゾしないの?

 

 

 

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ぎゃー!!

まんまと《Snare!》を踏み抜いた。こりゃいかん。

 

 

 

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 コーポに追い立てられるように遠隔サーバーに挑み続けるランナー。そろそろクレジットが尽きそうだ……。
3タグ受けてアクセスした計画書が《Tomorrow's Headline》。得点されても盗んでもタグが付く凶悪なカードだ。これを盗んでしまうと4つ目のタグが付くため、残り2クリックでは2タグ残した状態でコーポにターンが渡ることになる。

頭をよぎる《BOOM!》の存在。
まだ死ぬわけにはいかないのでこの計画書もトラッシュしておく。

※リプレイ画面だとコーポの手札も見えるようになっているのだが、この時点で(というよりゲームの最初から)コーポは《BOOM!》を隠し持っていたので、トラッシュして大正解であった。

 

 

 

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コーポは《Archived Memories》を使って《Tomorrow's Headline》をHQに回収。再び遠隔サーバーにインストールされたらたまったものじゃないとHQに攻勢をかけるランナー。
5枚の中から見事に計画書を引き当てる。……と思ったら残念ながら目的のカードではなかった。でもようやく2点獲得である。

リプレイで確認するとコーポはHQに《Snare!》を2枚も隠し持っていたことがわかる。ランナーのグリップは2枚。引き当てていたらフラットライン(死)である。
危な!!

 

 

 

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非情にも《Tomorrow's Headline》を再び遠隔サーバーにインストールされてしまったので盗りに行かねばならないが、《BOOM!》の気配を感じてHQに突っ込んでいくランナー。ここで満を持して《Buzzsaw》投入。1クレジットでICEを突破する。強いぞー!

またグリップは2枚である。

そして……、

 

 

 

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大当たりだ!

見つけたぞ《BOOM!》! 4分の1を引き当てたぞ!! トラッシュしてやる!!!

 

 

 

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計画書もきっちり盗み取っておいた。《BOOM!》をトラッシュできた今、タグが多少残っていたところで死にはしないだろう。2枚目はないさきっと。

 

 

 

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その後も順当にHQから計画書を引き当る。アーカイブに落としてた計画書も回収して勝利!

あとでわかったことであるが、HQに2枚忍ばせられていた《Snare!》をどちらも回避したうえ、ピンポイントに計画書や《BOOM!》にアクセスできていたことが勝利に大きく貢献していた。

果敢な攻めと大きな運に支えられての勝利であった。序盤からランナーはかなり追い詰められた状況にあったが、勝負とは最後までわからないものである。
これを運ゲーと捉えるか、最後まで勝負を諦めなければ逆転の余地のあるゲームと捉えるか。

 

私はもちろん後者だと思っている。

 

 

 

 

 

また気合を入れて書きすぎてしまったようだ。
今回はいくつかの対戦の内の1戦にフォーカスした内容にしてみた。


来週もまたお楽しみに!

Always be Runningでいつでも参加者を待っている。

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ネットランナー会レポート 21.07.02

毎週金曜夜にオンライン(Jinteki.net)で開催しているネットランナー会の報告。
いつも遊んでくださる方々に感謝。

今回は対戦相手が使用したデッキのコンボや戦略を一部紹介しよう!

 

吸血鬼GameNET

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《GameNET: Where Dreams are Real》はAshesサイクルで追加された最初のNisei産NBN IDだ。
ラン中にランナーがコーポのカードの能力が原因で1クレジット以上を失ったり支払ったりするたびコーポが1クレジットを得るという能力を持っており、例えば《Pop-up Window》のサブルーチンや《Turnpike》のエンカウント時効果とシナジーがある。

 

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発生源がコーポのカードであればなんとトレースでもこのID効果は起動する。もちろん発動にはランナーがトレースに対してクレジットを消費する必要があるが、このカードがあれば話は別だ。

 

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《Aryabhata Tech》が起動していればトレースが失敗するたびにランナーが1クレジットを失う。《GameNET: Where Dreams are Real》の効果と合わせれば、ランナーがトレースにクレジットを払おうが払わずにいようがID効果が発動するという状況を作れるのだ!

 

そして恐ろしいことにこのIDの能力には回数制限がない。
1回のランで複数回トレースを発生方法はいくつかあるが、1枚でそれを実現させるナイスなやつがいる。それがこれ《Macrophage》だ!

 

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レゾコスト3にしてサブルーチン4つ、強度7という圧倒的コストパフォーマンスを誇るコードゲート。問題はサブルーチンの中身がウィルスプログラムを持ったランナーにしかほぼ効果がないことだが、高い強度によって4回のトレース発動は約束されたようなもの。このICEにぶち当たるたび、起動している《Aryabhata Tech》1つにつきランナーは最低でも4クレジットを失い、コーポは4クレジットを得ることになる。まさに吸血鬼。

ID能力と資材とICEで成立する攻防一体のこのコンボ。作ったクレジット差でNBNらしくランナーにタグを付けて焼き殺すもよし、さらなる高額ICEの起動に繋げてもよしと非常に危険だ。

見かけた際は骨の髄まで吸い尽くされないように気を付けよう!

 

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まんまと罠にはめられたところ

 

 

NEXTの怨念

NEXTとはHaas-BioroidのNEXT Designという部署が開発しているセキュリティシステムの名称であり、アンドロイド:ネットランナーでもそのセキュリティがICEとして再現されている。

 

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NEXT ICEはレゾされているNEXT ICEの数に応じて強さを増すという特徴を持っている。NEXT ICEが多いほどサブルーチンで与えるダメージやドローの枚数が増えたり、サブルーチン自体が増えたり強度が上がったりするというわけだ。
デッキの中にNEXT ICEを入れまくればそれだけ沢山NEXT ICEが起動しゲーム後半にはウッハウハ!……としたいところであるが、現在のStandardフォーマットのカードプールからは「→End the run」を持ったNEXT ICEは失われてしまっているため、NEXTだけでICEを固めるとサブタイプが偏るうえ抑止力でしかランを止められなくなってしまうという大問題を抱えることになる。

 

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ローテ落ちしたランを止められるNEXT ICE

一時的にカードプールに加わっていたSalvaged MemoriesというセットによってNEXT ICEが全て揃った状態で遊ぶことができる時期もあったが、更なるローテーションによって《NEXT Gold》までも失ってしまった。落ちるところまで落ちたかと思われたNEXTシリーズであるが、そんな状態でも工夫次第で戦えるところを見せてやる!とデッキに採用する猛者がこの会にはいるのである。NEXT ICEの新規追加はよ!

 

 

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NEXT ICEがレゾされているときの得点するとランナーに1ブレンダメージ

ここにNEXTを参照するのはICEだけではないんだぞと言わんばかりの計画書がある。
《NEXT Wave 2》は得点時にNEXT ICEが1枚でもレゾされていればランナーに問答無用に1ブレインダメージを与える。NEXT ICEをたくさん採用していれば自ずと条件を満たしやすくなるため、NEXT ICE自体とシナジーがあると言えるだろう。
NEXT ICE自体数が減っているがそこは工夫でカバーだ。

まだ負けないからといって計画書の得点を許すと回復不可能なブレインダメージが飛んでくることになるため、ランナーは積極的にアドバンスされたカードにランを仕掛けたくなるだろう。そうなればコーポの得点は難しくなるが、逆にその心理を利用して仕掛けた罠にランナーを誘導するチャンスでもある。

 

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昔からあるアドバンスカウンターを載せることで効果を大きくできるAmbush/待ち伏せ資材の1つ。その中でも今回特に相性が良いのは《Cerebral Overwriter》。これを計画書に偽装しておけば、焦ってランしたランナーに更なるブレインダメージを蓄積することも可能だ。逆に《Cerebral Overwriter》を警戒してランを躊躇えば《NEXT Wave 2》を得点されてやっぱりブレインダメージ!

 

アドバンスが必要な待ち伏せ資材は扱いが難しい。ランナーが引っ掛からず放置された場合は単なる置物と化してしまうえ、計画書でないこともバレてしまう。
それを解消するのが《Clearinghouse》といった、アドバンスされたまま放置するとランナーを痛い目に合わせるカードの存在だ。このカードが存在すると知ったランナーはアドバンスされて放置されたカードがそのうち一斉に牙を剥く可能性を考えなければならなくなる。

 

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ターン開始時にトラッシュしつつアドバンスされた数だけランナーにミートダメージ

ランナーにはずれを掴ませるのは簡単なことではないが、そこはブラフとプレッシャーでうまく翻弄しよう。1回アドバンスしたカードを前に頭を抱えたランナーを見て密かにほくそ笑むのだ…

 

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こうなるともうどれが計画書かわからない


NEXT ICEは使いようによってはまだまだやれるってところを見せてもらった。
NEXTのテーマは個人的に好きなので今後の拡張でICEが追加されること期待したい。

 

 

まだまだ書きたいことはあるが厳選しないと記事を公開できないので今回はここまで。

来週もお楽しみに!