Diesel

ボードゲームを中心とした記事を書きます。

ネットランナー会レポート 21.07.09

ご参加ありがとうございました!
今週のネットランナー会の様子についてお届けしていこう。

 

 

 

Null

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《Null: Whistleblower》はICEの強度を下げる能力を持っている。この能力はAnarchのいくつかのカードと相性がよく、問題のアイスブレイカーもこの男なら使いこなせるのでは……という期待を込めての採用となった。

さて、問題のアイスブレイカーとは、、

 

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問題児

System Gatewayで追加されたAnarchのデコーダー/Decoder、《Buzzsaw》だ。
強度1上げるのに3クレジット必要で自前で強度を上げるのが馬鹿らしくなるような性能をしている。1クレジットでサブルーチンを2つもブレークできるのは偉いが強度が足りなければブレークもできないため、その力を発揮することは困難に思われていた。

 

――しかしチャンスは巡ってきた。

 

Standard Ban List 21.06への改訂により、よく使用されていた強度の高いコードゲート/Code Gate ICEが3枚禁止される。障害となるこれらが環境から姿を消したことによって、《Buzzsaw》が残りのコードゲート/Code Gateをズタズタに切り刻むことが可能となったというわけだ。これを逃す手はない。

とは言え他にも強度の高いコードゲート/Code Gateが存在していないわけではない。まともに突破しようと思えばとんでもない額のクレジットが必要になる。不意にそういったICEにぶつかったときのために、《Null: Whistleblower》の能力でサポートしてやろうというわけだ。

 

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禁止されたコードゲートたち

他にも《Ice Carver》《Leech》《Devil Charm》《Chisel》などサポートするためのカードをてんこ盛りにしてある。
《Leech》《Chisel》をサポートする目的で入れた《Knobkierie》と、《Knobkierie》を使うなら…と入れた《Imp》の方が活躍してたのは気のせいではないかもしれない……。

 

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最強コンビ

 

余談であるが、キラー/Killerのアイスブレイカーとして昔ながらの《Mimic》を採用している。これだけ《Buzzsaw》のサポートを充実させたのだから、強度を上げられない《Mimic》も安心して使えると見込んでの採用だ。安くて基礎強度も高いしね。

 

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System Update 2021での新デザイン

Anarchのフラクター/Fracterには同様の問題を抱えた問題児《Berserker》が以前から存在している。今回の厚いサポート体制なら採用できるか?…という考えが一瞬頭をよぎったが、優秀な《Paperclip》と比較して良いところが何一つなかったので、そんな愚かな考えはすぐさま捨て去った。せめて基本強度がもっと高ければ選択肢に入るのだが……。

 

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なぜお前は生まれてきたのか

 

Reality Plus

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《NBN: Reality Plus》 は各ターンに1回ランナーがタグを受けるたびに2クレジット得るか2ドローできる能力を持ったNBNの新IDだ。NBNはタグを付けるのが非常に得意な派閥。
タグを付けるカードもタグから利益に繋げるカードも沢山持っているが、このIDはなんとタグを付けるだけで報酬を得られる。目的もなくタグを付けまくるだけの運用でもOKというわけだ。そして、タグを付けるだけで2クレジットを得られるということは、タグを伴うカードのコストを差し引き2クレジット軽減できるということでもある。

 

強力だけど起動コストが悩みの種でかつタグが付くカードと言えば?

そう、我らが《Snare!》だ。

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こちらも新デザイン。見た目の印象がかなり違う。

ランナーがこのカードにアクセスしたとき、コーポが4クレジットを支払うことで強烈な3ネットダメージとなぜかタグまで付いてくる。一番最初のCoreセットからずっと現役のにくい奴。手札3枚未満でランしてはいけないとか、ラストクリックでランは避けるように巷で囁かれているのは何を隠そうこいつが原因だ。ラストクリックでこいつを踏み抜いたらタグを剥がせないからね。

強力な待ち伏せ/Ambushカードだが、起動するには4クレジットが必要と少々財布に優しくない。せっかくランナーがアクセスしてもクレジットが足りずに起動できず悔しい思いをしたプレイヤーは数多くいるだろう。
ところが《NBN: Reality Plus》であれば払ったうちの半分のクレジットが返ってくる。相変わらず4クレジット握っていないといけないことには変わりはないが、消費するクレジットは実質半分なのでかなり使いやすくなるだろう。同じ理由で《Prisec》とも非常に相性が良い。

 

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弱Snare!。インストールしてないと効果を発揮しないが数で勝負できる。

 

《Snare!》を3枚と他にタグを付けられるカードをたくさん積み込んだら準備OK。ランナーがタグを処理しきれなくなったら《BOOM!》でトドメを刺そう。

 

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ドーン! 7ミートダメージ。ランナーは死ぬ。

 

 

Null vs. Reality Plus

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ランナーがリグの構築に手間取っているうちにコーポは2枚の計画書を得点して5点を先制。ランナーは得点するための遠隔サーバーにある《Funhouse》を嫌って《Chisel》を感染させる。
コーポは得点によってクレジットを使い切っている。手札にある《Knobkierie》を使えば隙だらけのR&Dを攻めながら《Chisel》を成長させられそうだ。

 

 

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ドローして引いた《Imp》をインストールしているうちにコーポは2クレジット得て新しく遠隔サーバーを作ってカードをインストール。2クレジットならまだまだ余裕~♪とR&Dに突っ込むもレゾされたのは《Turnpike》。1クレジット失ったうえトレース強度5の勝負に挑まなければならない。負ければタグが付きコーポは2クレジットを得るが、勝つための5クレジットは結構な出費である。う~ん悩ましい。

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与えてしまった2クレジットでコーポは《Regolith Mining License》を起動してクレジットを回復。遠隔サーバーに計画書と思わしきカードをインストールした。これを得点されると負けてしまうので、当然盗りにいかなければならない。
《Chisel》とNullのID効果の合わせ技で《Funhouse》をトラッシュ!

 

 

 

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遠隔サーバー内で待ち受けていたのは《AMAZE Amusements》。このまま計画書を盗んでしまうとこのカードの効果により強制的に2タグ付けられてしまう。
だが心配ご無用。《Imp》を使ってアクセスした計画書をトラッシュしてタグを回避! あとでアーカイブから回収することにする。

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 危機は乗り切ったもののコーポはクレジットを回復して強気の構え。
遠隔サーバーを増強してまたカードを1枚インストール。これが計画書だったら負けてしまうのでランナーは準備を整えて突入。コーポにリーチがかかってる今何がなんでもランせねばならぬ――――あれ、ICEレゾしないの?

 

 

 

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ぎゃー!!

まんまと《Snare!》を踏み抜いた。こりゃいかん。

 

 

 

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 コーポに追い立てられるように遠隔サーバーに挑み続けるランナー。そろそろクレジットが尽きそうだ……。
3タグ受けてアクセスした計画書が《Tomorrow's Headline》。得点されても盗んでもタグが付く凶悪なカードだ。これを盗んでしまうと4つ目のタグが付くため、残り2クリックでは2タグ残した状態でコーポにターンが渡ることになる。

頭をよぎる《BOOM!》の存在。
まだ死ぬわけにはいかないのでこの計画書もトラッシュしておく。

※リプレイ画面だとコーポの手札も見えるようになっているのだが、この時点で(というよりゲームの最初から)コーポは《BOOM!》を隠し持っていたので、トラッシュして大正解であった。

 

 

 

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コーポは《Archived Memories》を使って《Tomorrow's Headline》をHQに回収。再び遠隔サーバーにインストールされたらたまったものじゃないとHQに攻勢をかけるランナー。
5枚の中から見事に計画書を引き当てる。……と思ったら残念ながら目的のカードではなかった。でもようやく2点獲得である。

リプレイで確認するとコーポはHQに《Snare!》を2枚も隠し持っていたことがわかる。ランナーのグリップは2枚。引き当てていたらフラットライン(死)である。
危な!!

 

 

 

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非情にも《Tomorrow's Headline》を再び遠隔サーバーにインストールされてしまったので盗りに行かねばならないが、《BOOM!》の気配を感じてHQに突っ込んでいくランナー。ここで満を持して《Buzzsaw》投入。1クレジットでICEを突破する。強いぞー!

またグリップは2枚である。

そして……、

 

 

 

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大当たりだ!

見つけたぞ《BOOM!》! 4分の1を引き当てたぞ!! トラッシュしてやる!!!

 

 

 

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計画書もきっちり盗み取っておいた。《BOOM!》をトラッシュできた今、タグが多少残っていたところで死にはしないだろう。2枚目はないさきっと。

 

 

 

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その後も順当にHQから計画書を引き当る。アーカイブに落としてた計画書も回収して勝利!

あとでわかったことであるが、HQに2枚忍ばせられていた《Snare!》をどちらも回避したうえ、ピンポイントに計画書や《BOOM!》にアクセスできていたことが勝利に大きく貢献していた。

果敢な攻めと大きな運に支えられての勝利であった。序盤からランナーはかなり追い詰められた状況にあったが、勝負とは最後までわからないものである。
これを運ゲーと捉えるか、最後まで勝負を諦めなければ逆転の余地のあるゲームと捉えるか。

 

私はもちろん後者だと思っている。

 

 

 

 

 

また気合を入れて書きすぎてしまったようだ。
今回はいくつかの対戦の内の1戦にフォーカスした内容にしてみた。


来週もまたお楽しみに!

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