バイオハザード2(Resident Evil 2)ボードゲーム紹介 ~ 前編 ~
カプコンのバイオハザード2(英語タイトルResident Evil 2)をボードゲーム化したもの。それがResident Evil 2: The Board Game。
プレイヤーは各キャラクターを担当し、謎の疫病が蔓延したラクーンシティからの脱出を図る。道中には鍵のかかった扉やT-ウィルスに感染し変異した住民が立ち塞がっており、プレイヤーは協力してこれらの困難を乗り越えなければならない。
Resident Evil 2: The Board Gameはそういった感じのミニチュアを操作してマップを移動・探索し、敵を倒して先へ進むタイプの協力型のボードゲーム。
そんなの既にZombicideで体験したわ!と思われる方もいるかもしれないが、このゲームの魅力はかつてPlayStationで体験したバイオハザード2のプレイ感――弾・HPなどのリソース管理、敵との交戦――を絶妙にボードゲームに落とし込んでいるところにある。
プレイしながら紹介していこう。
このゲームには原作のストーリーを場面ごとに再現したシナリオがいくつも用意されている。順番に遊ぶことでストーリーを追えるようになっているわけだ。
街に到着したばかりのレオンとクレア。ゾンビを振り切り、助けを求めて警察署に避難するも、どうやらここも既に安全ではないようだ……。
というわけで今回プレイするのは警察署のシナリオ。安全地帯であるS.T.A.R.S.のオフィスを目指す。
マップの内容やアイテム・敵の配置、プレイヤーの初期アイテムやスタート地点はシナリオごとに指定されているので、その通りにセットアップしてゲームスタート。
このゲームは自分の担当するキャラクターのミニチュアを動かしてプレイする。キャラクターは1回のアクティベーション毎に4回まで行動できるぞ。
まずはレオンのターンだ。隣の部屋に移動するために1アクション目で1歩移動し、2アクション目でドアを開ける。
3アクション目で隣の部屋に移動する。初めて入る部屋には何が待ち受けているかわからない。緊張の瞬間……
新たな部屋への侵入時には、シナリオ毎で設定されているテーブルに従ってどんな危険に遭遇するか決定する。この部屋の危険レベルはイエローだ。
危険度イエローの部屋への初侵入なので、黒のエンカウントダイスを振ってイエローのテーブルの結果に従う。
ダイスロールの結果、この部屋には1体のゾンビがいるようだ。
残り1アクション。
ゾンビは壁の向こうにいるため、レオンの位置からは攻撃できない。
ハンドガンの射程は無限だが、攻撃するには射線(Line of Sight、LOS)が通っている必要がある。
前進するのは気が引けるので、残りの1アクションで1歩後退することにする。
ゾンビは動きが遅いので、距離さえ保っていれば安全……なはず。
レオンのアクションが終わったので、次は敵のリアクションが開始される。
敵のリアクションでは、その敵の射程内にキャラクターがいれば攻撃し、いなければ最も近くのキャラクターに向かって移動する。移動速度や攻撃範囲などは敵のカードに記載されている。
リアクションは、アクションが終わったキャラクターと同一のタイルか、そのタイルと接続されたタイル上にいる全ての敵が対象。
今回リアクションするのは接続された部屋にいるゾンビ1体だけ。射程内にキャラクターがいないのでよろよろと1歩前進。物陰から姿を現した。
今回の敵のリアクションはこれで終わり。テンションデッキからカードを1枚引く。
オールクリア!
敵のリアクションが全て終わったらこのようにカードを引く。
デッキの中身はほとんどが安全な緑だが、それ以外を引いてしまうと何かしらよくないことが起きる。……が、今回は何もなし。
次はクレアのターン。
1アクション目で1歩前進しドアの前へ。
敵を視界に捉えたので2アクション目で攻撃を試みる。
まずインベントリにあるどの武器でどの敵を攻撃するか宣言しよう。
クレアのインベントリにはナイフとハンドガンがある。今回はナイフが射程外なのでハンドガンを使用する。ターゲットは目の前のゾンビ。
ダイヤルを1つ減らしてダイスロール。青ダイスを1つ振る。
残念ながらこの出目は外れ。弾はゾンビに命中することなく虚空に消える。ゾンビはそれをあざ笑うかのように一歩、また一歩と距離を詰める。
敵がリアクションするのはアクティベーションが終わったときだけではない。キャラクターが攻撃するたび、その音に反応した付近の敵は、攻撃が命中したものを除いて全てリアクションするのだ!
わーー! こっち来るなーーー!!
3アクション目で再び攻撃。今度はハンドガンのRapid Fireの効果を使う。弾を2発まで追加で消費する代わりに、その数振る青ダイスの数を増やせるぞ。
外した場合が怖いので今度は念のために2発撃つことにする。青ダイス2つだ。
今度は矢印と小ヒットの目。1発命中だ。
出目の結果は武器カードに書かれている。ハンドガンの場合は――
――小ヒットでプッシュ1回。ダメージを与えるには大ヒットを出さねばならない。
そんな、なぜまだ動けるの……!?
弾を受けたゾンビは平然としている。よろよろと後ろに下がったものの、敵はまだ健在だ。
攻撃したので敵がリアクションするが、攻撃がヒットしていない敵がいないので今回は処理をスキップ。
4アクション目も攻撃。
大ヒット。弾丸はゾンビの急所に命中し、ようやくダメージを与えられた。ゾンビのHPは1なのでこのダメージで死亡。マップからミニチュアを取り除く。
クレアのアクションが終わったので敵がリアクションするが、敵を全滅させたおかげで今回は対象なし。テンションデッキからカードを引いてターン終了。
そのあとレオンとクレアがそれぞれ1ターンずつ行動し、部屋の奥の廊下に通じるドアの前まで移動。
レオンのターン。
1アクション目でドアを開け、2アクション目で廊下に進む。
この部屋(廊下)は危険度グリーンなのでランダムエンカウントは発生しないが――
気を付けろ! 天井に何かいるぞ!!
というわけで廊下で待ち構えていたのはバイオハザード2で登場する序盤の強敵リッカー。原作をプレイしていた人なら印象的な登場演出で覚えている人も多いのではないだろうか。
リッカーは目が退化した代わりに聴覚が発達し、足音や銃声を聞きつけてプレイヤーを追いかけてくる。このゲームではそれを反映した能力を持っており、接続されたタイル内でキャラクターが移動アクションを実行するたび、リッカーはそのキャラクターの方に向かって移動リアクションを実行する。走って距離を取るのは困難だ。
レオンの移動にリアクションしてリッカーも前に移動する。
ちょうど射線が通る位置関係だが、後に控えるクレアのためにも有利なポジションを確保しておきたい。
ここはあえて攻撃せずもう1歩前に進む。3アクション目。
今だ!
4アクション目で攻撃。Rapid Fireでありったけ、全力の3連射を叩き込む。
小ヒット2つと大ヒット1つ。3発全部命中だ!
弾を受けたリッカーは2回プッシュされるので、あえて廊下手前の方へ移動させた。プッシュは隣接マスに移動させる効果なのでどの方向に動かしてもよい。
更に傷トークンを置いて1ダメージ与えたことを記録しておく。
レオンのアクションが終わったのでリッカーのリアクション。射程内にレオンがいるので、その場から移動せず攻撃を仕掛けてくる。
攻撃されるキャラクターには回避の機会が与えられる。レオンの回避は2なので青ダイスを2個振ろう。
大ヒットと小矢印。回避の時に出てほしい目は矢印の方だ。
回避の難度は敵の大きさやキャラクターのいるマスにどれだけ敵がいるかによって変化する。敵が大きいほど、敵がたくさんいるほど回避が難しくなる。
リッカーはLargeサイズ(台の大きさが1/2マス)の敵なので、この小矢印では残念ながら回避失敗。ダメージを受ける。
ダメージを受けたらHealthトラックのマーカーをDangerの方へ動かす。
Dangerより先に進んでしまうと瀕死状態になって動けなくなる。そのときは仲間に救急スプレーを使ってもらおう。
ダメージを受けたキャラクターは攻撃してきた敵に対してプッシュを1回実行できる。上手く利用してピンチを切り抜けるのだ!
リアクションが終わったのでテンションデッキからカードを引く。
Echos in the Darknessトークンを次ターンを迎えるキャラクターがいるタイルに配置しろという指示。このトークンがあるところでテンションフェイズ*1を迎えると追加で2枚引かなければならない。
次はクレアのターン。
こんな部屋はさっさと脱出してしまおう。幸いにも出口はすぐ目の前だ。
ドアから廊下に出るために移動したい。しかし、リッカーがすぐ近くにいる。
同じマスに敵がいる状態で攻撃以外のアクションを実行する場合、まずはその敵の攻撃を避けなければならない。ダイスロールだ。
中矢印以上の出目が出たので回避成功!
間一髪。クレアはリッカーの攻撃を掻い潜りドアをくぐった。もし攻撃が当たっていたら、ダメージを受けるばかりか移動にも失敗していたところだ。
そして2アクション目で勢いよくドアを閉じる!
バーン! リッカーをドアの向こうに置き去りにすることに成功!
このゲームでは戦って倒すばかりが敵を退ける方法ではない。倒すのが難しければ避けて通ったり、ドアの向こうに追いやってしまってもいいのだ。
敵はドアを開けられないのでこちらに来れないし、タイルとしての接続も断たれてしまうのでリアクションすることもない。ドアの向こうにさえ逃げてしまえば安全はすぐそこだ。
無事リッカーをやりすごせたレオンとクレア。
醜い化け物を閉じ込めたドアの向こうは意外過ぎるほど静かだ。不気味な静寂に不安を覚えながら2人は血に濡れた廊下を進む。
目指すは2階、S.T.A.R.S.オフィスだ。
中編へ。
*1:テンションカードを引くフェイズ